書評「マンガ お金は寝かせて増やしなさい」

皆様、こんにちは。にこいちです。

 

今日は、2021年12月16日(昨日)に発売された水瀬ケンイチさんの「マンガ お金は寝かせて増やしなさい」の書評を書こうと思います。ここで、2017年12月18日に発売された(漫画でない)「お金は寝かせて増やしなさい」のことを「原作」、今回発売されたマンガを「マンガ版」と略称します。

 

1.マンガ版は原作の漫画を入れ替え、ストーリーも大幅に変更したものである

 原作は全268頁でしたが、マンガ版は238頁とページ数が減りました。大きな構成の変化としては、原作は漫画が29頁に過ぎなかったのがマンガ版では82頁と、2.8倍に増えています。

 また、原作では2004年に商社マンと結婚した本田未来さんという若い女性が主人公で、投資の神様が未来さんにインデックス投資を教えるというストーリーでした。これに対し、漫画版では、都内の小さなIT企業に勤めるOL花沢ヒナさんが職場の新人社員幾月ミヤコさんからインデックス投資を習い、その中でアクティブ投資派の阿久津部長との競争に参加させられることになり・・・というストーリーになっています。

 原作の漫画は鐘崎裕太さんという漫画家さんが担当されていましたが、マンガ版ではシナリオ原作を鍋島焼太郎さん、作画を嬉野めぐみさんが担当されており、より漫画に力を入れて構成されたことが推測されます。

 漫画の絵柄は個人の好みによるところが大きいとは思いますが、マンガ版のほうが若い女性受けするきれいな絵柄になっていると思います。

 「マンガ」と銘打っているのだから、いっそのこと100%漫画にしてしまえばよかったのではないか?とも思いますが、何らかの事情で難しかったのでしょうか。「漫画 バビロン大富豪の教え」くらい振り切ってほぼ漫画オンリーにしてもよかったのではないか、と感じました。

 

2.マンガ版では「涙と苦労のインデックス投資家20年実践記」が4頁のコラムとなっている

 原作では「涙と苦労のインデックス投資家15年実践記」は1章全部、36頁にわたって書かれていたのに対し、マンガ版では第6章「プロは絶対に教えてくれない『インデックス投資を続けるコツ』」の最後のコラム4頁となっています。

 コラム中の折れ線グラフでは、水瀬さんの資産が大台に乗ったことが明らかにされています。

 個人的には、2017年以降の実践記も楽しみにしていたため、拍子抜けでした。その年その年の新聞記事などと一緒に書かれていた原作の実践記は、当時どのような社会状況だったのか、その中でどう水瀬さんが感じたり考えたりして投資をされていたかが迫真性をもって書かれていて、とても好きだったのです。なので、もし「お金は寝かせて」の次回作があるとしたら、ここは追加して頂きたいなあと思います。

 

3.インデックス投資を勧める際の最初の1冊であることは間違いない

 マンガ版のあとがきで、水瀬さんは「(原作の)対象読者像として想定していた20~30代の若者世代はあまり本を読まないいわゆる『活字離れ」が進んでいる」「どんなに入魂の本を書いても彼らには届かない」という苦悩を明らかにされています。そのため、出版社に漫画化を提案し続けられ、漸く実現したのがこの漫画版とのことです。

 私は、ここ数年、水瀬さんの原作を家族や友人、近所の若者など金融リテラシーのあやしい人に送って読むよう勧めてきましたが、そもそもお金の話を活字で読むこと自体にアレルギーを持つ方は多かったです。水瀬さんの原作を第一に勧めていたのは、分かりやすく実践的であることはもちろん、漫画が含まれているので初心者にも親しみが持ちやすいと思ったからなのですが、それでもハードルは結構高かったみたいです。

 例えば、5・6年前に蓄財に興味を持ったある高学歴の中高年の男性から「お金に関する面白い本はない?」と言われて、水瀬さんの原作はもちろん、「ウォール街のランダム・ウォーカー」や「敗者のゲーム」を渡したりしたのですが、彼は一向に読んだ節がありませんでした。なのに「漫画 バビロン大富豪の教え」だけは読んでくれたようなのです。

 中高年でそうなのですから、20代・30代に活字の本を読んでもらうことはもっと難しいのでしょう。ご苦労をお察しいたします。マンガ版「お金は寝かせて増やしなさい」がより若い世代に広まるといいですね。

 私も、これから「お金を寝かせて」を誰かにお渡しする機会があるなら、マンガ版のほうにしようと思います。

 それでは、また。

 

 

 

年金問題について-その3 少子高齢化対策

こんにちは、にこいちです。

今日は、年金問題に関する少子高齢化対策について考えてみたいと思います。

 

1.田村正之さんによる「年金」の説明について

 田村正之さんは、その著書の中で、

 ・年金とは「『老齢のリスク=長生きで老後資金が途絶えてしまうこと』『障害のリスク=病気やケガで働けなくなること』『死亡のリスク=一家の大黒柱が亡くなったときに遺族の生活を守ること』という人生の3大リスクから生活を守るための仕組み」(「人生100年時代の年金戦略」27頁)

・「保険では、『事故』が起きたときに保険金が支払われます。年金における事故の1番目は『長生き』です。長生きが事故というのも変な話ですが、老後資金が枯渇しかねないという意味では事故といえます(同29頁)。

・「『何歳まで生きるかわからない』ことは、老後資金を考えるうえではリスクでもあります。」(同29頁)

と説明しています。

 

2.長生きは「事故」か?

 「事故」とは「思いがけず生じた悪い出来事。物事の正常な活動・進行を妨げる不慮の事態」(小学館精選版日本国語大辞典)をいいます。

 病気や怪我、死亡は偶然の事情に左右されるので「事故」に該当することは分かるし納得しています。

 しかし、「長生きで老後資金が枯渇すること」は「事故」なのでしょうか?

 人が年をとって高齢者となることは自然の摂理であり、予測可能な事柄です。

 また、年齢ごとの平均余命は公表されており、平均余命まで相当程度の確率で長生きすることもある程度予測しうる事柄です。

 老後資金を持たせることも、ある程度事前にコントロール可能な事柄です。例えば、退職金や個人の蓄えを浪費すれば老後資金は早くに枯渇しますが、節約すれば枯渇しなくて済むように対応することができます。

 そもそも「年金」は、国民を「老後資金が枯渇する」ほどに困窮してしまわないよう保護すればよいのであり、それを超えて高齢者の余裕のある生活まで保障する必要はないのではないでしょうか。

 加えて、「年金」が賦課(仕送り)方式だというのであれば、そのときどきの仕送りをする側(主に若者)の収入が減るリスクは「年金保険」を受け取る側(主に高齢者)もリスクを負担するのが公平の観点から妥当なのではないでしょうか。既に年金の受給を開始しているからといって、若者の収入減リスクを高齢者が一方的に負担しないのは不公平であるように思います。

 また、高齢者だからといって、常に「老後資金が枯渇する」とは限らないでしょう。高額の不動産収入などを得る人もおり、そういう人を「年金」で保護する必要はあるのでしょうか。

 なお、平均余命を超えての長生きは、事前の予測を超えるので、これは「年金」により保護されるべき事柄(事故)と考えていいのではないかと思います。

 

3.結論(少子高齢化対策)

 以上のように考えると、少子高齢化による年金問題に対処するには、平均余命と、若者や高齢者の収入状況とを考慮することが鍵になるように思われてきました。さしあたり思いつく対策は、例えば以下のようなものです。

①年金の支給開始時期をより遅らせるか、または、平均余命までは減額した金額としその後の年齢に応じて増額し一定の水準まで引き上げるようにする。

②そのときどきの若者の収入に応じて高齢者の年金受給額を増減する。

③年金以外の収入の多寡により高齢者の年金額を増減する。

 

 それぞれ減額される人がいて異論も多いところとは思いますが、若い世代にのみ負担を強いる制度は持続可能性がないと思います。

 

 それでは、また!

投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2021に投票しました。

こんにちは、にこいちです。

 

今年は早めに、投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2021に投票しました。

 

天邪鬼の私は、昨年と同様、某たぶん1位じゃないファンドに全振りしています。2位、3位、4位に入りそうな対抗馬に投票したほうが、結果に対する自分の影響力があるような気がして、そのようにしています。

 

今年はどうなんだろう?あまり新規ファンドで皆の目を惹いたものはなかったような?米国株式ファンドが強いのかな?色々想像するのが楽しいです。競馬みたいに1位から3位まで当てた人には景品を出すとか、レース形式にしても面白そう。

 

今度もまたオンライン開催で皆様に直接お目にかかることができないのが残念ですが、オンラインだと自宅でゆっくりお酒を飲みながら授賞式をのんびり拝見することができ、これもいいものです。

 

また、対面で再会できるといいですね。コロナ禍の収束を祈っています。

 

では、また!

投資に関心がなかった夫が投資を始めた理由-レナウンの倒産

皆様、こんにちは。にこいちです。

 

今日は、投資にずっと興味がなかった夫(イチ)が、投資を始めるようになったきっかけについて、私(ニコ)が書いていきたいと思います。

 

1.イチが投資に興味を持たなかった理由

 ニコは本格的に投資を始めて約18年経ちます。その間ずっと、半年に一度、イチに家計の状況をエクセルでまとめて報告していました。その中にはニコの投資信託の積立の結果等も含まれていました。また、折にふれて「あなたも投資やってみない?」と誘っていました。

 しかし、イチの答えはいつも「嫌だ、興味ない」というものでした。イチはリスクを負うのをすごく嫌がっていました。ファイナンシャル・プランナーさんに資産形成の相談に乗ってもらったときも「ノーリスクミドルリターンの商品が欲しいです!」なんてことを元気よく言っちゃうような人でした。

 

2.しかし、イチは株式を持っていた

 そんなリスクを極端に恐れる男・イチでしたが、実は株をいくつか保有していました。原因は相続です。2008年に義父が亡くなり、義父の保有していた株式のいくつかを兄弟と分け合って相続していたのです。

 しかし、イチは株価にほとんど興味を示しませんでした。半年に1回のエクセル表を作成する際にも、そのときどきの株価を表に転記して見せていましたが、「ふーん、そうなの」「上がったねえ」「下がったねえ」などと淡々としていました。

 上がったときに「そろそろ売ったら?」と促したこともありましたが、イチは「いいや。しょせん親父からもらったあぶく銭なので、興味ない」と断ってきました。

 とはいえ、配当や株主優待は嬉しかったようで「冥土の親父からの小遣いだ」と喜んでいました。 

 

3.そのときは来た

 しかし、イチが否が応でも投資に向き合わなければならない時がやってきました。

 じゃーん!それは、コロナ禍の影響による、2020年5月15日のレナウンの倒産(民事再生です!

 義父から相続していた株式の中に、最小単位程度ですがレナウン株が含まれていたのです。2008年に相続したときには既に総額2万円ほどで株価が低迷していましたが、名門だしまさか潰れるとは思わなかったようです。過去の記録によると、義父はレナウンを総額76万円で購入していたようなので、76万円が本当に紙くずに、0円になってしまいました。

 イチはまた、某航空株をかなり多く相続していました。10日間位ずっと、こちらの会社も倒産するのではないか、と悩みに悩んでいました。そこで、ニコは「そんなに悩むなら損切りしなよ。今損切りできないなら、きっとずっとできないよ。」と言いました。そこでイチもネットで情報を集め、予想された年間負債額から会社が何年も持ちこたえられないと判断、思い切って某航空株を全て手放し、数百万円の損失を確定しました。

 

4.イチ、投資口座を開き、本を読む

 それからのイチは変わりました。まず、ニコのお勧めに従い、ネット証券とネット銀行に口座を開きました。

 同時に、イチはニコお勧めの本を2冊読みました。山崎元大橋弘祐箸「難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!」と水瀬ケンイチ箸「お金は寝かせて増やしなさい」です。お金に全く興味のないイチにとって「難しいことは」の対話形式は非常に分かりやすかったようです。また、「お金は寝かせて」は、”投資とは労力をかけるものだ”という思い込みを払拭してくれる目鱗本だと喜んでいました。

 

5.イチ、投資を始める

 ネット証券の口座が開かれるとすぐに、イチはiDeCoとつみたてNISAを開始しました。自営業なので、iDeCoは限度額一杯の6万8000円/月、つみたてNISAは3万3333円/月です。それぞれ、世界株式の時価総額にだいたい応じた割合で、手数料格安のインデックス投資信託を積み立てています。

 また、義父から相続した株を入れていた対面口座の中身をネット証券に移管し、毎日値動きをチェックしながら少しずつ売ったり、新たに買ったりする作業を始めました。損切りをした某航空株の損失額を利用して損益通算を行うと、以後3年の譲渡益や配当を無税にできることが分かったためです。本来20%ほどかかる税金が、翌年以後3年の期間限定でゼロ円になるというのはかなり魅力的なボーナスステージです。

 個別株をやる際には、かぶ1000箸「貯金40万円が株式投資で4億円 元手を1000倍に増やしたボクの投資術」を読んでもらいました。とてもここまではできないけど、冒険譚として面白かったそうです。

  丁度コロナの影の強い時期に投資を始めたのがよかったのか、2021年11月10日現在、イチのiDeCoとつみたてNISAの口座は3割近くのプラス、個別株も移管以降はプラスとなっています。毎日ネット証券の口座を見ては一喜一憂するイチですが、おかげで経済ニュースを熱心に見るようになり、夫婦の会話も経済ネタが多くなりました。特にイチはテレ東WBSの滝田洋一さんやフィスコの小林大純さんのコメントが理知的で面白いと、お気に入りの様子です。

 

6.まとめ

(1)以上の経験から思ったのは、自分ゴトとしてとらえないと人は投資に興味を持たない、ということです。なので、配偶者に投資に興味を持ってもらうためには、わずかでもよいから株や投資信託を持ってもらえばよいのではないかと思います。最初のお金は誘う側が出してあげるとよいと思います。

(2)子供に株や投資信託を相続する予定があるなら、売買の方針や方法など前もって親が子に教えておいたほうがいいのではないかと思います。子供の性格にもよりますが、何も教えられていないと、相続してすぐに売って換金して遊びに使ってしまうかもしれないし、逆に自分事と思えず関心が持てないうちに、売り時に売れなくなってしまうようです。

 

以上で今日のブログは終わりにします。では、また!

 

年金問題について-その2 年金不安の理由と対策(メモ)

皆様、こんにちは。にこいちです。

 

今日は、他のウェブサイトなどを見て考えた「年金不安」の理由、原因と対策についてまとめたメモを書いていきたいと思います。

 

1.年金不安の理由

(1)年金破綻(破産)
(2)年金減額
(3)年金保険料負担の増額
(4)年金支給開始年齢が遅くなる
(5)年金だけでは生活費、介護費、医療費が足りない
   インフレ(生活費、介護費、医療費の高騰)、生活水準を下げられない
(6)将来の年金見込み額が分からない
(7)年金(見込み額)が足りない場合の対策が分からない
(8)年金を運営・管理している機関(厚労省、年金機構)の不祥事
(9)現在の生活が苦しいから将来に備える余裕がない
(10)自分で稼いだお金なのに自分で記録・コントロールできない

 

2.年金不安の原因

(1)年金=掛け捨て保険(賦課方式)ということが理解できていない。

   賦課方式=その場その場での世代間の仕送りなのですぐに破綻することはない。

(2)少子高齢化

  • 若者が減る一方で高齢者が増える。若者が高齢者になったときに年金がもらえるのか、もらえるとしても十分な金額がもらえるのか不安。世代間格差。
  • ねずみ講のように後から入った人が損をするイメージ。
  • 年金受給者(主に高齢者)は今の時点でもらうことが確定している。これに対し未受給者(主に若者)はもらうことが確定していないのに金を拠出するというリスクを負っている(リスクの偏在)。

(3)老後の医療費や介護費がいくらかかるか分からない

(4)家計運営・貯蓄・投資の知識・能力がない

 

3.なぜ社会保険制度はあるのか?

 高齢になったり、配偶者が死亡したり、障害を負っても誰も助けてくれない→弱者がますます弱者になり、格差拡大→国民が国(議員・官僚)を信用できない→自殺、暴動、犯罪が増えるなど社会不安になる→革命(国家転覆)、内乱、戦争など。

 なので、日本は国家の威信をかけて、年金制度等の社会保険制度を維持するであろう。日本という国家が存続する限り、年金制度は続くと考える(=年金破綻はない)。

 将来、年金減額、年金保険料負担の増額、年金支給開始年齢が遅くなるなどの不利益変更はあるかもしれないが、今までの制度変更の経緯に鑑みると、不利益変更は相当の時間をかけて行う(=事前準備は可能)と推測する。

 

4.対応策(国)

(1)収入を増やす 人数×単価

  • 加入者を増やす(=高齢者雇用、女性雇用促進。定年の高齢化)あとは、外国人の加入者を増やす?
  • 国民の年収を増やす(儲かる分野にシフト)。年金保険料を上げる、税金負担分を上げる。

(2)支出を減らす 人数×単価

  • 支給年齢を上げる(=支給対象者を減らす)
  • 年金額を減らす

(3)運用する

  • リスク資産を増やす?(少子高齢化社会でこれ以上リスク資産割合を増やして運用するのが適切かはよく分からない)

 

5.対応策(個人)

(1)収入を増やす

  •  収入が高い業種に転職する、起業する、副収入を得る
  •  自分の価値を上げる(勉強)
  •  専業主婦(夫)から共働きへ
  •  長期間働く(定年後は再就職又は起業)

(2)支出を減らす

  • 生活費(固定費)を見直す
  • 家事能力・育児能力を上げる
  • 浪費、借金を抑え生活費を下げる
  • 家計簿をつけるなどして家計運営能力を上げる
  • 健康に気を使う(暴飲暴食を避け適度な運動をして、医療費を減らす)

(3)運用する  

  • 自営業者は、国民年金を支払う。収入が低い人は国民年金の免除/減額・猶予・追納制度を利用。
  • サラリーマンは厚生年金額をチェックする。
  • 付加年金、国民年金基金、節税策となるiDeCo、(一般又は積立)Nisaを利用。なお、自営業者はiDeCoで月額6万8000円まで積立可能であり、40年間積み立てると3264万円となる。国民年金は満額で年間約78万円(現在)なので、20年受け取ると1560万円であり、iDeCoが倍額以上になる。自営業者は年金の相当部分を積立方式寄りに設計することが事実上可能となっている。
  • 民間の年金保険は利率が低くあまり意味がない。
  • 老後の住まいのため不動産の購入?(価格、状況による) 

(4)記録・管理する

  • 年金関係の記録を保管する
  • 給料明細をとっておく(場所がなければPDF化・写真撮影)
  • 古い銀行通帳をとっておく(場所がなければエクセル等で管理)
  • ねんきん定期便をとっておく
  • ねんきんネットに登録し、将来の年金見込み額をシミュレーションする。
  • 不明点は年金事務所に相談に行く。家庭がある場合は、夫婦で行くのがお勧め。(年金ネットでは、配偶者が死亡した場合のシミュレーションができないため)

(5)調査する

  • 介護費用(一時費用70万円弱+自宅介護で8万円/月位。特養で5~15万円/月位、有料老人ホームだと15~30万円/月位)
  • 平均介護期間:5年(しかし、10年以上介護が必要になる割合も10%以上)
  • 高額療養費制度、高額介護合算療養費制度あり(複雑すぎてよく分からない・・・)。
  • 仮に介護費+医療費=25万円/月かかるとして、12ヶ月×5年をかけると1500万円(年金10万/月とすると自己負担額900万円)。10年とすると、倍の3000万円が必要(年金10万/月とすると自己負担額1800万円)。

(6)管理・監督、勉強

  • 新聞やテレビ等で年金に関するニュースを見る。厚労省や年金機構等の不祥事をチェックする。
  • 年金に関する書籍を読む。
    田村正之箸「人生100年時代の年金戦略」と是枝俊悟箸「35歳から創る自分の年金」はニュートラルな立場から書かれており内容が充実していて、具体的な対策も豊富でお勧め。
    大江英樹箸「知らないと損する年金の真実」は分かりやすいがやや中高年向けで若者は読んでもあまり納得がいかない内容かも。
    海老原嗣生箸「年金不安の正体」は民主党批判など政治的な主張が多くあまり勧められない。

6.まとめ

 将来のインフレなどについては全く予測がつかないので、年金不安が全部解消されたわけではありませんが、こうやって書き出してみることで、事前の対策は練れるように思います。

 というわけで、今回はここでおしまい。何か思いついたら追加します。

 では、また!

 

年金問題についてーその1 公的年金=保険とはどういうことか? 

皆様、こんにちは、にこいちです。

 

ここ最近ずっと考えている年金問題についてシリーズで書いてみようと思います。今日は、公的年金=保険の意味について考えてみます。

 

1.年金の定義

 「年金」とは、終身または一定期間にわたり、毎年定期的に一定の金額を給付する制度のもとで、支給される金銭。また、老齢・障害・死亡などを保険事故とし、被保険者や遺族の生活保障を目的とする年金保険制度のこと。国民年金・厚生年金・共済年金などの公的年金と、企業年金・団体年金、個人年金などの私的年金とがある(小学館デジタル大辞泉)。

 「保険」とは、火災・死亡など偶然に発生する事故によって生じる経済的不安に備えて、多数の者が掛け金を出し合い、それを資金として事故に遭遇した者に一定金額を給付する制度。生命保険・損害保険など。(小学館デジタル大辞泉

 公的年金は「年金」でありながら「保険」でもあるらしい(後述します)。でも、そんなこと辞書には書いてなくて、正直分かりにくいです。

 

2.法律上の根拠

 すべて公の制度には、法律上の根拠があります。公的年金の根拠条文は、憲法25条2項及び国民年金法、厚生年金保険法など。

 憲法は25条1項で生存権を定めていて、2項で国の努力目標を定めています。

第二十五条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
② 国は、すべての生活部面について、社会福祉社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

 この25条2項に基づき、国民年金法(昭和34年)が定められています。国民年金は「老齢、障害又は死亡によつて国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によつて防止し、もつて健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的」とし(1条)、「国民の老齢、障害又は死亡に関して必要な給付を行う」ものとされています(2条)。

 厚生年金保険法(昭和17年法を29年に改正)は憲法より先に定められたためか、生存権規定との関係性が明らかではありませんが、厚生年金保険法が新憲法制定後も存続している以上、憲法25条と整合性のある制度と捉えられているのでしょう。

 

3.さて、最近読んだ本によれば、”国民年金も厚生年金も「保険」なので、民間の貯蓄性金融商品とは異なる性質のものである”(権丈善一箸「ちょっと気になる社会保障V3」iii頁、田村正之箸「人生100年時代の年金戦略」27頁も同趣旨)とのこと。

 要するに、公的年金は、自動車保険などと同様「掛け捨て保険」の性質を持つので「支払損もありうる」制度であることを理解せよ!ということらしい。国民年金法等法律の中で支払うお金のことを「保険料」と読んでいるんだから、保険としての性質は明らかでしょう?ということらしいです。

 でもね、これめっちゃ分かりにくいですよね!民間の「保険」は貯蓄性の保険もあるわけで掛け捨てとは限らないし。公的年金が掛け捨て保険なら、もっとはっきり説明してほしい!民間の保険は保険法で契約のときに重要事項についての説明責任があるのに、公的年金はそんな説明責任もないです。

 それでいながら、国民年金は20歳以上60歳未満の全国民に加入義務があり、支払が遅延すると年14.6%の延滞金がついたり(97条)、財産が差し押さえられたりします(109条の7)。厚生年金も同様に延滞金の規定(87条)や差押の規定があります(100条の7)。これらは、財産が競売にかけられると税金と同じく優先して支払われることになっています。

 

4.要するに、年金支払い義務は国民の三大義務の一つである納税と同じ位重い義務なのに、年金加入前の事前説明・教育があまりないのが問題。もっと中学校・高校できちんと教えてほしかった、と思いました。

 

5.さて、公的年金は掛け捨て保険(=支払った保険料が戻らない)とはどういう意味でしょうか?どういう場合に掛け捨てになるか、思いつく限りで書いてみます。

(1)老齢年金の加入期間が10年未満の場合

10年未満しか年金に加入していないと老齢年金をもらえず、支払った分が掛け捨てとなります。なお、仮に1回も年金を支払っていなくても、税金で間接的に年金保険料を支払っていますので、掛け捨てとなっています。

あと、支払義務があるのに支払わないと延滞金が加算されることになります。延滞金が嵩むと老齢年金の受取額が減って、結局支払い損になるということはあるかもしれません。

なお、公的年金障害年金や遺族年金の性質もあり、若くして障害を負ったり死亡した場合に年金が出ます。若くして障害を負ったり死亡を負う人は人数としては少ないので、多くの人の場合掛け捨てになります。

(2)早死にした場合

例えば、年間20万円の年金を40年支払い(総額800万円)、月額5万円の受給資格を得たのに1年(受取総額60万円)で亡くなってしまった場合は、多くが掛け捨てとなります。死亡一時金はありますがあまり高い金額ではありません(最高で32万円)。

(3)年金を支払っているのに記録に反映されていない場合:

「失われた年金記録」の話です。支払い額の全部又は一部が反映されないまま年金を受け取ることとなり、場合によっては受給資格を満たさず無年金となってしまうと思われます。

(4)ハイパーインフレとなった場合

例えば、年間20万円の年金を40年支払い(総額800万円)、月額5万円の受給資格を得て40年間年金を受け取ったが(総額2400万円)、途中ハイパーインフレが起きて従来の100分の1しか価値がなくなった場合(且つマクロ経済スライドがうまく機能しない場合)。

支払金額以上の金額は名目上戻っているので掛け捨ての定義には当てはまらないかもしれませんが、支払った年金保険料がほぼ戻らないという意味で掛け捨て的な結果になると思いました。

 

以上、長くなりそうなのでここでいったん切ります。

それでは、また!

バターチキンカレーの食べ比べ(無印良品vsセブン-イレブン)

こんにちは。にこいちです。

 

今日は初めて食べ比べに挑戦してみることにしました。題材はカレーです。

 

好きなTV番組に「人生最高レストラン」(TBS)がありますが、先週・先々週と2週続けて女優さんが好きな食べ物としてカレーライスを挙げていました。また、「ガイアの夜明け」(TV東京)の「”無印がやってくる”あなたの街にも…」(2021年9月10日放送)でも無印のカレーがフィーチャーされていました。加えて、ちきりんさんがツイートで食べ比べた結果をツイートされていたので、

「あれ?最近カレーってまた流行っている?これは自分でもやってみたいな」と思いました。なお、私は良品計画の株主でもあり、自社製品と他社製品との比較は自分の財産を守る上でも有用であります。それゆえ多少のバイアスはあるかもしれず、そのへんご容赦ください。

 

1.無印良品

(1)パッケージ

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前面(無印)

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後面(無印)

(2)中身

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中身をご飯にかけたところ(無印)

(3)具・味・香り

・180g

・3センチ角位の鶏肉が5個位入っている。食べ応えあり。

・ルーは濃い茶色。トマト味が強く濃くのある味。

・スパイス(カスリメティ)の香りが強い。

・無印のレトルトカレーシリーズの人気No.1

(4)価格

350円/個(消費税含む、2021年9月16日現在)

 

2.セブン-イレブン

(1)パッケージ

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外箱・前面(7/11)

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外箱・後面(7/11)

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中袋(7/11)

(2)中身

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中身をご飯にかけたところ(7/11)

(3)具・味・香り

・180g

・1.5センチ角位の鶏肉が7~8個位入っている。肉が小さく細切れな感じ。

・ルーは黄色味が強い。バター味を感じる。

・スパイスの香りは薄い。不思議な甘い香りがする。全く辛くない。

(4)価格

213円/個(消費税含む、2021年9月16日現在)

 

3.食べ比べた結果

・無印のほうが我々夫婦の味の好みに合う。セブンよりスパイシーで肉も大きく高級なインドカレーを食べられたという満足感がある。

・セブンはひたすらマイルドなので辛いのが苦手な人はこちらをどうぞ。※なお、ちきりんさんの食べ比べた商品は冷凍食品っぽいのだが、無印はレトルト食品なので、我々の食べ比べにはセブンのレトルト食品を使用した。

・いずれのカレーも、ややボリューム不足。追加で肉を入れるべきだった。女性や高齢者など食の細い人向けの商品か。

・無印はカレーの種類が多く(44種類、セブンは3種類位)、通販もある。引きこもりのカレー好きには最高かも。

・いずれも値段は微妙。自宅徒歩圏内に、ナン付きで500円(ランチ時)の持ち帰り可能なカレー屋があり、我々には価格もボリュームも味もそれが一番だったりする(←それを言っちゃあ御仕舞いよ)。レトルトカレーでいえば、中村屋のカレーで肉を追加して煮るタイプのものが好みだったのだが最近売らなくなってしまった。

・もろもろ考えて、無印は食欲ないときや普段のカレーに飽きたときにリピートありだけど、セブンーイレブンはたぶんリピート買いしないなあ、という印象でした。これからも色々競合は出てくると思うけど、良品計画負けてないぞ、がんばれ!

 

それでは、また!