2020年10月18日(日)に宅建試験を受験してきました。今回は、この試験の概要と勉強方法を紹介したいと思います。
Ⅰ 宅建試験とはどのような試験か。
・名称:正確には、「宅地建物取引士資格試験」といいます。
・目的:不動産の売買や賃貸などの契約時の重要事項の説明、重要事項の説明書や契約書に記名・押印する業務を独占している宅建士の資格を得る。
・主催者 一般財団法人不動産適正取引推進機構
・時期:原則年1回 10月にある。但し、2020年はコロナの影響のため、10月と12月と2回に分けて試験が行われることとなった。
・問題形式:マークシート方式
・制限時間:2時間
・合格点:年によりまちまちだが、近年は50点満点のうち、33~38点位。
・受験場所:各都道府県の大学、貸会場など
・受験資格:年齢、性別、学歴等の制約はなく、誰でも受験できます。
・受験手数料:7000円+払込事務手数料242円
・持ち物:マスク、BまたはHBの鉛筆・シャープペンシル、消しゴム
・受験人数:受験者数約20万人(※ここ数回の平均)
・合格者数:約3万人(合格率15~17% ※ここ数回の平均)
・受験者の年代:20代から60代と幅広い(※私の見た印象)。
Ⅱ受験の動機
・不動産会社で働いてみたかった。そのためには、宅建士の資格があると有利。
・知人でアパート・マンション経営をしている人が何人かいるため、その人達の役に立つ資格が欲しかった。
Ⅲ昨年の失敗談
・2019年に初めて宅建試験を受験しましたが、合格点35点のところ34点しか取れず、不合格となりました。
・失敗の理由は、明らかに勉強不足。10月20日の試験にも関わらず、勉強開始が9月2日。しかも、試験の1週間前にはF1を見に三重県鈴鹿まで3泊4日で出かけていたため、トータルで1か月半しか勉強していませんでした。過去問12年分のうち10年分を、しかも1回しか解けませんでした。答練や模試は1回も受けませんでした。
・試験当日は、何だかこの問題見たことあるなあ、4択のうち2択までは絞れるけど、それ以上絞れない・・・(涙)という状態でした。
Ⅳ 勉強方法&スケジュール、結果、他の受験生へのメッセージ
1.使用したテキストと問題集
・2020年版 わかって合格る宅建士 基本テキスト(TAC出版)
・2020年版 わかって合格る宅建士 分野別過去問題集(TAC出版)
・2020年版 わかって合格る宅建士 過去問12年PLUS(TAC出版)
2.上記テキストと問題集を選んだ理由
・過去の受験生のブログで独学用として勧められていた。
・基本テキストには、記述部分に一部下線が引かれており、その箇所が何年の試験に出たかが赤い小文字で併記されているため、テキストのどこの部分が重要で頻出なのかが分かりやすかった。また、「重要」のマーク、「最近の改正」のマークが付けられていて、勉強のメリハリをつけるのに役立った。また、4分野ごとに分冊化されており、持ち歩くにも便利だった。
・分野別過去問題集は、勉強の初期に役だった。但し、民法等が105問、宅建業法は90問、法令上の制限は73問、その他関連知識は37問で、トータル305問しかなく、これだけでは合格点には届かず、半分位しか点が取れない印象。
・過去問12年PLUSは、本番と同じ問題の並び方(民法等→法令→その他(5点免除以外)→宅建業法→その他(5点免除)で解けるので実践的。毎年1題出る統計問題は最新データで作り直した12年分のダウンロードサービスがある。
3.答練と模試
・勉強のペースメーカーが欲しかったため、今年は予備校(TAC)でレベルチェック模試(8月30日)と答練パックというコース(8月27日~10月12日まで)を申し込み、合計7回の答練と1回の模試を受けました。本当は全国公開模試(10月1日)も受けたかったのですが、諸般の事情によりこれは受けられませんでした。
・レベルチェック模試では27/50点でD判定。
・答練は、26/30→16/30→14/30→37/50→34/50→34/50→36/50。B判定(合格まであと一歩!)を受けることが多かったです。
・答練のあと講師が45分位問題の解説をしてくださったのがよかったです。ただ、答練パックは、授業+答練のコースの途中から参加するという形態だったため、「ここは授業で何回も言いましたよね」を連発する講師の言葉がつらかった。先生、私はそこ聞くの初めてなんですけど~という言葉が喉元まで出かかりました。
4.勉強方法
(1)テキストをざっと読む。3時間で50頁位のペース。それに合わせて分野別過去問題集を解く。1問ごとに解説を読み、重要部分や分からなかったところにマーカーを引く。また、肢ごとにテキストの該当部分に戻って内容を確認する。テキストにない情報はテキストに書き込んで加える。1時間で5問(20肢)位のペース。
(2)答練に合わせて過去問12年PLUSを解く。私は5問ごとに区切りました。解説を読んで重要部分や分からなかったところにマーカーを引き、自分であやふやな部分や新知識はテキストに戻って該当箇所を確認する。テキストにない情報はテキストに書き込んで加える。最初は1時間で5問(20肢)位でしたが、6年分位回すとその後は重複して出る問題もかなり出てきたため、解説を読み飛ばせるようになりました。
5.スケジュール
(1)8月11日からテキスト読み、12日から分野別問題集開始。8月29日から本格的に勉強を開始し、テキスト読みと分野別問題集を9月7日に1周り目を終えました。
(2)9月7日より過去問12年PLUSを開始。途中1週間ほど殆ど勉強できない時期がありましたが、10月8日に1周り目を終えました。
(3)10月11日に分野別の業法を全部、13日に法令の全部、14日にその他の全部の2回目を終えました。民法等は得意科目だったので、2回目はやりませんでした。
(4)10月14日から17日(試験前日)まで、過去問12年PLUSの2回目をやりました。
(5)試験2日前から当日朝まで、苦手だった箇所(業法、法令、その他の税金)のテキストを何度も読み返しました。また、統計については、TACでもらった「法律改正点レジュメ」及び答練・模試の解説に目を通しました。
(6)1日の勉強時間は平均5~6時間、長くて7時間位でした。
6.本試験で感じたこと
・過去問を中心に勉強しておいてよかった。特に今回は過去問の焼き直しが多かった。
・答練をペースメーカーにしてよかった。特に今年は民法改正が反映される初めての年だったので、改正点を事前に総ざらいできたのがありがたかった。
・試験会場が片道1時間以上かかる場所だったので早めに家を出た(午前11時位)が、昼12時30分集合、午後1時開始の試験にはそれでもギリギリだった。
・試験会場は、申し込んだ会場(某大学)とは全く異なる高級ホテルの貸会場だった。広くて密の回避もされていて快適だった。シャンデリアの下で試験を受けたのはいい思い出になりました。
7.自己採点
TACとLECで行い、43/50点でした。思ったよりも点がよかったので、ほっとしました。
8.合格発表までの間
・各予備校の予想合格点をまとめたサイトが気になり、ずっと眺めていました。
・TACのウェブサイトで、試験で付けた肢を報告していたところ(TAC宅建士講座データリサーチ)、11月19日に参加特典の「令和2年度10月 宅建士試験解答解説」が無料閲覧専用アドレスに公開されました。事前に予備校による詳しい解説や予想点を見られたのはよかったです。
9.合格発表の日
・緊張して午前4時30分に起きてしまいました。午前9時30分にウェブサイトで合格を確認し、午前11時ころに合格証書が郵送されてきました。
10.12月試験の人へのメッセージ
・試験までまだ3週間以上あります。ギリギリまで粘ってください。
・公平の観点から、10月試験で出た問題と全く同じ問題は出ないと予想しています。主催者が公開している試験問題を入手してチェックし、まだ出てない頻出分野や改正分野を中心に勉強されてみてはいかがでしょうか。
・過去問は8~10年分位、できれば12年分やったほうがいいです。
・時間がなければ1問1答式の過去問を細切れの時間の中でされるといいと思います。11.今年不合格だった人へのメッセージ
・私も昨年落ちました。情けない気持ち、悔しい気持ちは分かります。年内はパーッと遊んで(但し密は避けてくださいね)、気分をうまく切り替えて、年明けからのスケジュールを組み立てることをお勧めします。
・民法等は問題文が長く、それを読み解いて関係者や権利の関係を簡便な図に表して解答を導く技術が必要になります。予備校なりYoutubeでの無料動画配信を利用して、その技術を身に着けないと合格点までいかないと思います。時間のある今のうちに漫画でも何でもよいので、民法等の全範囲をカバーしている本にざっと目を通せるとよいと思います。
・業法は同じ問題が繰り返し出ますし配点が大きいです。皆の平均点も滅茶苦茶高いです。18/20点位取らないといけません。時間がない中で集中的に勉強するなら、業法を中心にされるといいと思います。
・法令及びその他は、過去問で出る範囲に絞って勉強するだけでOKです。時間がなければ、過去問→テキストの繰り返しをされるといいと思います。範囲が広いのでそれ以上のことをやろうとすると、沼にはまります。
12.最後に
皆様、どうぞお元気でお過ごしください。2時間の試験が受けられるだけの健康・体力・気力があるうちに集中して勉強して受かってしまいましょう。
では、また!