愛読書「となりの億万長者」その3-著者の紹介

皆様、こんにちは。にこいちです。

 

前回の記事を書いた後、インデックス投資ブロガーとして有名な水瀬ケンイチさんより、スタンリー博士の逝去についてコメントを頂きました。そういえば「となりの億万長者」の著者について詳しく紹介する(日本語の)記事や動画は見たことがなく、自分でも調べてみたいと思いました。そこで、今日は、英語のWikipediaや英語の記事等をまとめて「となりの億万長者」の著者二人を紹介し、そこで感じたことを書きたいと思います。

 

1.スタンリー博士(Dr. Thomas J. Stanley)の紹介

スタンリー博士は、1944年(昭和19年)にニューヨーク州ブロンクスで生まれました。父は地下鉄の運転手、母は主婦、秘書。

 

コネチカット州の大学を卒業、テネシー大学の修士課程を卒業した後、ジョージア大学で経営学の博士号を取得。アトランタジョージア州立大学で勤務、その後ニューヨーク州立大学オールバニ校で教鞭をとりました。また、テネシー大学、ジョージア大学、ジョージア州立大学でマーケティングを教えました。

 

1980年にアメリカの大手銀行からアメリカの億万長者に関する全国調査を依頼され、その際「となりの億万長者」につながるアイデアを得ます。

 

1988年に「Markething to the Affuluent」(富豪へのマーケティング、日本訳なし)、1991年に「Selling to the Affluent」(富豪への販売、日本訳なし)、1993年に「Networking with the Affuluent」(富豪とのネットワーキング、日本訳なし)、1996年にダンコ博士と共著で「The Millionaire Next Door」(となりの億万長者)、2000年に「The Millionaire Mind」(1億円貯める方法をお金持ち1371人に聞きました)、2004年に「Millionaire Woman Next Door」、2009年に「Stop Acting Rich」を発行し、2010年に「The Millionaire Next Door」(となりの億万長者)の改訂版を発行しました。また、40本の論文を書き、20回テレビ出演もしました(有名なオプラウィンフリーの番組にも出演)。

 

時期は不明ですが途中で大学を辞め、2013年から2015年には、データポイントという調査・研究会社で調査・研究の業務に従事されていました。2015年2月28日にジョージア州アトランタで車を運転中、飲酒運転の車に衝突されて轢かれて亡くなりました。

 

2.ダンコ博士(Dr. William D. Danko)の紹介

ダンコ博士の生年は不明・生い立ちは不明です。たしかスタンリー博士の5、6歳年下だったと思います(ご存知の方がいらしたら教えて頂けると助かります)。

 

ダンコ博士の専門は、消費者行動、特に富の形成に関する研究です。ニューヨーク州立大学オールバニ校にて教師のスタンリー博士と出会い、1973年に初めてスタンリー博士の富豪に関する研究を手伝うことになりました。その後、20年以上研究や論文作成を共にしました。この間、ダンコ博士は1983年ニューヨーク州のレンセラー工科大学ラリー経営大学院にて博士号を取得。また、スタンリー博士はジョージア州に移りましたが、ダンコ博士はオールバニ校に残りました。

 

1993年にスタンリー博士は新しい研究にダンコ博士を呼び、その成果が1996年の「となりの億万長者」となりました。このころ、ダンコ博士は四肢麻痺の弟トニーさんの介護をすることになり、大変な日々を送られたようです。

 

ダンコ博士はオールバニ校のマーケティング学部に31年間在籍し、そのうち9年間は学部長を務め、2007年に同校のビジネススクールの名誉教授に就任しました。

 

2017年、同僚のリチャード・ヴァン・ネス氏と共著「Richer Than A Millionaire: A Pathway to True Prosperity」(億万長者より豊かに:真の豊かさへの道のり、日本語訳なし)を発行されています。この本は、特に若い人に向けて、パーソナルファイナンスの重要性を説いたもののようです。また、この本を書くに当たって影響を受けたのは、アメリカの初代大統領兼発明家のベンジャミン・フランクリンとのことです。

 

フランクリンは自らの信念を13の項目(節制、沈黙、規律、決断、節約、勤勉、誠実、正義、中庸、清潔、平静、純潔、謙譲)にまとめ、毎週1週間を1つの項目に割り当てて遂行し、年に4回この過程を繰り返して身に着けようとしたと言われています。フランクリンのこの13項目は、大富豪ウォーレン・バフェットの価値観「人は習慣で行動するので、正しい思考とふるまいを早いうちに習慣化させるべきだ」(注:桑原晃弥箸「ウォーレンバフェット成功の名語録」84頁より引用)にも影響を与えています。

 

breakwaterfinancial.com

 

3.感想

 スタンリー博士もダンコ博士も生まれながらのスーパーエリートではない「となりの億万長者」と呼ぶのにふさわしい人たち、だからこそ著書が広い共感を得られたのではないかと思いました。

 

 たとえば、スタンリー博士のお父さんは地下鉄の運転手であり、労働者階級のご家庭で育っています。スタンリー博士が修士課程を卒業されたテネシー大学(州立)の2021年の大学ランキングは112位/1452校、博士号を取られたジョージア大学(州立)は47位/1452校。(US News 2021 Best National University Rankings)

www.usnews.com

 

 住んでいらしたのも、高級住宅地ではありません。子供時代を過ごされたニューヨーク州ブロンクス区は比較的都会ですが、その後に移り住んだテネシー州アメリカ地図の右から3分の1位の内陸の州。ジョージア州テネシー州の右斜め下(フロリダ州の上)の内陸の州。ニューヨーク州オルバニー郡も、マンハッタンから220km離れた人口10万人弱の都市です。

 

 

f:id:nikoandichi:20210830153541j:plain

アメリカ合衆国地図

 また、ダンコ博士が卒業され教鞭を取られたニューヨーク州立大学オールバニ校のランキングは160位/1452校、ニューヨーク州にあるレンセラー工科大学(私立)は53位/1452校です。

 

 例えていうなら、”スタンリー博士は東京都北区に生まれて、埼玉大学を卒業し、宮崎大学修士課程を終え、九州大学で博士号を取り、その後に東京都立大学(東京都日野市)で教鞭を取っているときに同大学の学生だったダンコ博士に会い、二人は日野市で一緒に働いていましたが、途中でスタンリー博士は福岡市に引越し、九州大学で教鞭をとりました”みたいなイメージです(注:私の勝手なイメージなので責任は持てません)。

 

 お二人とも優秀ではあるけど、超エリート、生まれながらのサラブレッドかというとそうではなく、質実剛健、真面目な学校の先生というイメージ。住んでいる場所も地味で、ご家庭、特にお子さんやお孫さんを非常に大切にされている/たようです。

 

 また、「となりの億万長者」がヒットしたのは、スタンリー博士が52歳、ダンコ博士が40代半ばのとき。お二人はこの著書がきっかけで億万長者になられたようですが、決して早い成功ではありません。20年以上にわたりお二人でコツコツと地道な調査・研究を続け、その調査・研究の結果を凝縮して骨格を取り出して読み易くまとめあげたのが「となりの億万長者」という大ベストセラーなのです。

 

 著者について知ると、本を読むのも楽しくなりますよね。私はこういう本の書かれた背景や理由を調べるのが大好きです。

 

 では、また!

 

追記:新聞報道によると、スタンリー博士は、車好きでオプション満載のアキュラ(ホンダの高級モデル)に乗っていたことがあるのみならず、死亡時には2013年製のコルベット(高級車)に乗っていたとのことです。また、ダンコ博士も新車及び中古車でベンツを買ったことがあるようです。ニューヨークタイムズの記者は”彼らも人の子で上質な物を味わわずにはいられなかった”というようなことを皮肉っぽく述べています。博士たちも人の子で倹約だけの人生ではなかったのだなあとちょっと苦笑です。
www.nytimes.com

 

 

 

 

  

 

 

愛読書「となりの億万長者」その2-姉妹本の紹介

皆様、こんにちは。にこいちです。

 

「となりの億万長者」いかがでしたか?インデックス投資仲間では、Sayasayanさんや、セルリアンさんの旦那様シデさんが書評を書かれてます。また有名どころでは、両学長がYoutubeで紹介されています。そろそろ読みたくなってきたでしょう?

 

さて「となりの億万長者」に関連して、スタンリー博士が書かれた姉妹本が何冊か出ています。今日は、その姉妹本のご紹介をしようと思います。

 

1.「1億円貯める方法をお金持ち1371人に聞きました」(Millionaire Mind)(文響社

(1)概要

 2000年箸、2001年日経新聞社日本語訳「なぜ、この人たちは金持ちになったのか 億万長者が教える成功の秘訣」を加筆・改編したもの。前著「となりの億万長者」は純資産100万ドル以上1000万ドル未満の金持ちが調査対象だったが(平均資産額370万ドル)、本箸では100万ドル以上の資産を持つ全ての金持ちが調査対象となっている。そのため、スーパーリッチの回答が交じり、全体の平均値を押し上げている(平均資産額920万ドル)。

 

経済的に成功するには、次の5つの要素が必要である。

①誰に対しても正直であること(誠実)

②自分で自分をコントロールすること(自己鍛錬)

③人とうまくやっていくこと(社会性)

④よい配偶者の支えがあること

⑤ふつうの人より一生懸命に働くこと(勤勉)

(2)感想

・「となりの億万長者」が主に小話形式だったのに対し、「1億円貯める方法」は「となりの億万長者」の内容をより深堀するようなアンケート結果やコメントを紹介することが多い。そのため「となりの億万長者」を先に読んでいないとやや読みにくい内容となっている。また、「となりの億万長者」が346頁であるのに対し、「1億円貯める方法」は434頁と厚く、これも読むのにためらう一要因と思われる。

・作家・橘玲氏が序文を寄稿している。この序文は10頁で「億万長者になるのは簡単だった!」などと興味を刺激する内容となっているので、まずはこれを読んで面白いと思った人が読み進むと良いと思う。

・世間の常識"金持ちは派手な生活をしている"を覆すスタンリー博士の手腕は本箸でも如何なく発揮されている。たとえば、億万長者は学校の成績はよくないことが多い(それよりも精神力やリーダーシップにまさっている)、進んでリスクを負い失敗からの回復力がある、配偶者の選び方がうまく長くよい家庭環境を維持している、家計支出の抑制がうまく買い物上手である、など。

・個人的には、「金持ちになるための配偶者の選び方」が面白かった。特に「金持ちが結婚相手に求める五つの要素」。ざっくりいうと、外見をあまり重視しすぎず一定の性格を重視したほうがいいよ、という内容。結婚相手になる人をどう選ぶかは人それぞれだけど、これから結婚するかもしれない人は読んでおくと参考になるんじゃないかな?

 

2.「女性ミリオネアが教えるお金と人生の法則」(Millionaire Woman Next Door)(日本経済新聞社

(1)概要

・2004年箸、同年3月日本語訳発行。「となりの億万長者」「1億円貯める方法」のアンケート結果が主に男性億万長者に対するアンケートだったのに対し、女性の億万長者を対象にしたアンケートをまとめたもの。

・女性の億万長者のほうが男性の億万長者より、さらに質素で目立たない生活を好み、また、寄付も多い。

(2)感想

 ・「女性の億万長者は、(なぜか)最初のオトコ選びに失敗することが多い」というくだりが面白かった。私の周りでも、高収入で外見もよいのになぜかお付き合いする男性が・・・というパターンをかなり多数お見受けします。こういう”デキのよい”女性の悩みは、意外とアメリカでも日本でも変わらないのが驚き。

・なお、2021年の雑誌フォーブスの金持ちランキング(Forbs、Billionaire Ranking)では、1位から11位までは男性で12位にようやく女性が出てくる、100位以内に女性は14人しかいないという結果になっています。うち3人は中国人だけど日本人は当然ながらゼロです。夢がないなあ。

 

www.forbes.com

 

3.「お金が“いやでも貯まる”5つの生活習慣」(STOP ACTING RICH: And Start Living Like A Real Millionaire)(イースト・プレス

(1)概要

・2005年10月から2006年6月に5000世帯を対象に実施されたアンケートの結果をまとめたもの。2008年のリーマンショック後の2009年に刊行され、同年11月に日本語訳が発行されました。

・日本語への翻訳者は、「ユダヤ人大富豪の教え」等の著者本田健氏です。文章は読み易くてよい翻訳でしたが、ところどころ強調したい部分を赤文字にされていたのがあまり趣味に合いませんでした(本は自由に読みたい派)。

・「となりの億万長者」「1億円貯める方法」をさらに深め、真の億万長者の行動を具体的に明らかにしています。例えば、億万長者は自分のスーツに299・5ドル(約3万円)以下しかかけない、ロレックスを買う人は少なく安物のセイコーを愛用する、高級酒(高級スコッチや高級ワイン)は飲まない、ポルシェやフェラーリなどの高級車は買わない、別荘は持たない、など。

(2)感想

・最後に「となりの億万長者」の読者であるお金持ちとスタンリー博士との書簡のやりとりが収められている。読者は「富の蓄積は究極の目的ではないし、人生のすべてではない」「高級車や高級スーツが高いのは品質がよいからである」「バラの香りを楽しまず(人生を楽しまず)に死んでしまったら後悔する」とスタンリー博士に異議を唱えます。スタンリー博士は「バラの香りを楽しむためには、つまり人生を満喫するためには高級ブランド品を買う必要があると信じている人が、あまりにも多すぎます」「そうした消費と幸福にはほとんど相関関係がありません」「私たちは『スター』と呼ばれる種類の人々の価値観ではなく、実際に成功している人々の大半が抱く価値観を導入すべきです」と反論します。スタンリー博士の主張はこの書簡に詰まっているように感じました。

・私はスタンリー博士ほど達観していないので、高級品についてはたまには試してみたらいいのではないか、と思う派です。無理のないところで、様々な値段の高級バッグや高級車をリースで試してみるとか、年に1度は高級レストランに行くとかはどうでしょうか?何回か試すと「限界効用逓減の法則」というのだと思いますけど、一定の金額を超えるとそれ以上の金額を出した場合と比較して満足度がそれほど増えないことに気がつくと思います。例えば、フランス料理のコースでいうと、私には1万円も出せばめちゃ高級品で、それ以上のお金を払う価値はあまり感じませんし、高級品を出す店に行くための服や靴を持っていません。ゆえに、高額の飲食のお誘いがあっても基本お断りしちゃうと思います。それよりも、誰と一緒に食事を楽しむことや食事のバラエティーのほうが大切。家族や友達など、会話が弾む人と食事をしたいし、家では食べられない手の込んだ料理や珍しいものを食べたいですね。

・スタンリー博士がお書きになった本のうち、日本語訳で発行されたものは本箸が最後になります。これ以外に、スタンリー博士はこの本以降、スタンリー博士は興味の方向を変えられたのか、金持ち相手の商売の方法を教えるような本を数冊出版されているようです(Networking with the Affuluent、Selling to the Affuluent、Marketing to the Affuluent、Networking with Millionaires)。アメリカのお金持ち相手の商売を考えていらっしゃる方には参考になるかもしれません。

 

スタンリー博士は残念ながら2015年2月28日に飲酒運転に巻き込まれて亡くなられました。ご冥福をお祈りいたします(R.I.P.)。娘のサラ博士がスタンリー博士の資料をまとめ、新しい資料を加えて作成した著書「その後のとなりの億万長者」(The Next Millionaire Next Door)(パン・ローリング社)が2021年2月に発行されています。この本、大部な割(473頁)に目次が抽象的すぎてあらすじを掴むことができないため、よほどの好き者でないと勧めにくいです。出版社がパン・ローリングさんというところから見ても、高度な読解力を持つ投資家向けの論文的な位置づけの本なのでしょう。

 

それでは、また!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛読書「となりの億万長者」(The Millionaire Next Door)その1

皆様、こんにちは。にこいちです。

 

最近、友人・知人・親戚に本をプレゼントして回ってます。その中でも、ウケがよかった「となりの億万長者」について、何回かに分けてご紹介しようと思います。

 

1.概要

「となりの億万長者」は、アメリカのスタンリー博士(1944年生・2015逝去)とダンコ博士(1950年生)のお二人による著書です。お二人が1万人以上の億万長者にインタビューとアンケートをした結果に基づき、小話を交えながら、富裕層の共通項をまとめています。

 

 累計200万部超のベストセラー、かつ、1996年発行のロングセラー(発行から約25年)。日本では1997年に早川書房から日本語訳が発行され、2013年に再度早川書房から新版が発行されています。2013年版は、作家の橘玲さんが推薦帯をお書きになり、私は橘さんのファンだったことから、この本を知りました。最近だと、色々な方がブログやYoutubeでこの本を紹介されているみたいですね。

 

2.億万長者の共通項

(1)億万長者(100万ドル/1億円以上の純資産を持つ人々)の多くは高級住宅街に住んでいないブルーカラー(労働者階級)。ぜいたく品(食品、住宅、車、衣服、時計など)を持たずに質素に暮らす。収入よりはるかに低い支出で生活している。

(2)お金持ちになるには、幸運、遺産、高学歴、頭の良さではなく、自分を律する強い精神力を持つこと、勤勉、我慢(倹約)、計画性などが大切。

(3)資産形成のために、時間、エネルギー、金を効率よく配分している。

(4)社会人になって以降親から経済的援助を受けない。同じように、自分の子供が社会人になって以降は経済的援助をしない。

(5)ビジネスチャンスをつかみ、自分にぴったり合った職業を選択している。

 

3.ココが面白い

(1)億万長者の特徴は「倹約、倹約、倹約」。よって、億万長者の生活をテレビ番組にしても地味過ぎて全く面白くない(ジョニー・ルーカスの小話)。

(2)医者に金持ちは少ない(蓄財劣等生ドクターサウスと蓄財優等生ドクターノースの比較)。一般に、学校に長くいればいるほど収入を得て資産形成にとりかかるのが遅れる。また、学歴の高い人は世間体に気を使い、見栄消費に金を使う傾向にある。特に、医師は高収入であることから、資産形成に必要性を感じず、投資に力を入れない傾向にある。

(3)「車であなたの価値が決まるわけではない」。友人のプレゼント「ロールスロイス」を「魚釣りにいって、とれた魚をポーンと後ろの座席に放っておくわけにはいかないだろう」と断ったアラン氏の話が秀逸。

(4)経済的援助を与えれば与えるほど子供は資産を蓄えず、援助が少なければ少ないほど資産を築くようになる。親から得た経済的援助は浪費され貯蓄・投資には回らないことが多く、また子供の独立心に水を差す。子供には魚の釣り方を教えよう。

 

4.まとめ

(1)”資産を築くには守り(ディフェンス)が重要”ということに重点を置いた本。100円稼いでも110円使ってしまえば金はたまらないというごく当たり前のことを繰り返し説く。人間はつい見栄を張りたくなるし、いい物を食べ、いい物を持ちたくなるが、その本能に逆らい、経済的自立を果たすことが大切。

(2)少し古い本であり、アメリカ人の著者による本だが、日本でもほぼあてはまる内容となっている。ちなみに、蓄財本の著者として有名なロバート・キヨサキ氏の「金持ち父さんのキャッシュフロークワドラント」の末尾の表(アラン・ジャック氏作成)では、「投資家として成功している中流の人」の情報源として「となりの億万長者」があげられている(やや批判的な紹介の仕方か)。「金持ち父さん貧乏父さん」シリーズはレバレッジをかけた「攻め」の投資を勧めるのに対し、「となりの億万長者」は倹約や計画性のある「守り」の貯蓄・投資を勧めているので、万人向き・再現性が高いのは「となりの億万長者」のほうだと思う。

(3)知人の医師2人に送ったところ、1人からは黙殺されたが(たぶん読んでない)、もう1人からは「大変面白くためになった。人生で最もよかった本の1冊」と高い評価を受けた。

(4)この本はなぜかインデックス投資家に人気があるが、個別株投資家が読んでも参考になる本だと思う。緊急事態宣言が続く夏休みのお供に、是非読んでみてください!

 

それでは、また。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長期投資で一番失敗したなあと思うこと

皆様、こんにちは。今日は、NightWalkerさんから使用許諾を頂いたお題「長期投資で一番失敗したなあと思うこと」、で書いてみたいと思います。

 

私は、2004~2008年、2010~2021年にかけて、合計15年間投資信託の積立をしています(2008~2010年は米国留学のため中断)。その中で、一番の失敗したなあと思うことは、2012年に投信の一部を解約してしまったことです。

 

2010年夏に留学を終え、秋に積立投資を再開しました。当時の積立先は、eMAXISシリーズ(Slimじゃないほう)。TOPIXインデックス、先進国株式インデックス、新興国株式インデックスに分けて積立をしていました。リーマンショックの株価下落から回復するのに時間がかかっていて、積立金額のマイナスもずっと続いていました。最大で30万円位のマイナスでした。当時は仕事が忙しかったので週末に保有商品の価格チェックをしていましたが、見るたびに下がったりなかなか上がらなかったりで、待ちくたびれてしまったのです。なので、2012年に株価が戻ってきたときに、eMAXIS先進国株式の9割を売ってしまったんです。2万円位の微益が出ていたのでもういいや、と思って。

 

このとき売らなかった1割は今でも保有していますけど、トータルで250%の益が出ています。売った9割は、バランスファンドに振り替えたり外国債券を買ったりなどしたのですが、外国債券の益は年率1%位でしたし、バランスファンドの益はトータルで45%位です。解約した部分をそのまま持っていたら5倍以上の益が出ていたはずです。あのとき9割売るなんて無駄なことせずにそのまま持っていればよかったなとつくづく思います。

 

当時は、インデックス投資の書籍は「ウォール街のランダムウォーカー」、「敗者のゲーム」位しかなく、いわゆる「出口戦略」について書いたものはあまり見当たりませんでした。そのころ水瀬ケンイチさんのブログで「出口戦略」について書かれていたように思いますが、当時は色々な人が色々なことを言っていて、自分はどうすればいいのか迷っていました。ツイッター投資仲間もいなかったし、孤立無援の状態。暗闇の中でエイヤと根拠も方針もなく勢いで決めてしまいました。

 

今思えば、「コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べ」で相談してみるとか、カン・チュンド先生の有料相談に行けばよかったのかな?とか、思いますけど、当時は知らない人に、自分の損失金額を明かして具体的な投資相談に乗ってもらうことには恥ずかしさがあってできなかったのです。そこは躊躇せず、もっと恥をかいて教えを請えばよかったかな、と思います。

 

以上、私が長期投資で一番失敗したなあと思うことでした。ご参考になれば幸いです。

以前、日経新聞の田村正之さんが積立投資の秘訣を「続けること、続けること、続けること」とおっしゃっていましたが、本当に名言だと思います。継続が大切だと分かっていても実行するのはなかなか難しいものです。

それでは、また!

 

 

 

 

 

 

 

宅建試験受験記

2020年10月18日(日)に宅建試験を受験してきました。今回は、この試験の概要と勉強方法を紹介したいと思います。

 

Ⅰ 宅建試験とはどのような試験か。

・名称:正確には、「宅地建物取引士資格試験」といいます。

・目的:不動産の売買や賃貸などの契約時の重要事項の説明、重要事項の説明書や契約書に記名・押印する業務を独占している宅建士の資格を得る。

・主催者 一般財団法人不動産適正取引推進機構

・時期:原則年1回 10月にある。但し、2020年はコロナの影響のため、10月と12月と2回に分けて試験が行われることとなった。

・問題形式:マークシート方式

・制限時間:2時間

・合格点:年によりまちまちだが、近年は50点満点のうち、33~38点位。

・受験場所:各都道府県の大学、貸会場など 

・受験資格:年齢、性別、学歴等の制約はなく、誰でも受験できます。

・受験手数料:7000円+払込事務手数料242円

・持ち物:マスク、BまたはHBの鉛筆・シャープペンシル、消しゴム

・受験人数:受験者数約20万人(※ここ数回の平均)

・合格者数:約3万人(合格率15~17% ※ここ数回の平均)

・受験者の年代:20代から60代と幅広い(※私の見た印象)。

 

Ⅱ受験の動機

・不動産会社で働いてみたかった。そのためには、宅建士の資格があると有利。

・知人でアパート・マンション経営をしている人が何人かいるため、その人達の役に立つ資格が欲しかった。

 

Ⅲ昨年の失敗談

・2019年に初めて宅建試験を受験しましたが、合格点35点のところ34点しか取れず、不合格となりました。

・失敗の理由は、明らかに勉強不足。10月20日の試験にも関わらず、勉強開始が9月2日。しかも、試験の1週間前にはF1を見に三重県鈴鹿まで3泊4日で出かけていたため、トータルで1か月半しか勉強していませんでした。過去問12年分のうち10年分を、しかも1回しか解けませんでした。答練や模試は1回も受けませんでした。

 ・試験当日は、何だかこの問題見たことあるなあ、4択のうち2択までは絞れるけど、それ以上絞れない・・・(涙)という状態でした。

 

Ⅳ 勉強方法&スケジュール、結果、他の受験生へのメッセージ

1.使用したテキストと問題集

・2020年版 わかって合格る宅建士 基本テキスト(TAC出版)

・2020年版 わかって合格る宅建士 分野別過去問題集(TAC出版)

・2020年版 わかって合格る宅建士 過去問12年PLUS(TAC出版) 

2.上記テキストと問題集を選んだ理由

・過去の受験生のブログで独学用として勧められていた。

・基本テキストには、記述部分に一部下線が引かれており、その箇所が何年の試験に出たかが赤い小文字で併記されているため、テキストのどこの部分が重要で頻出なのかが分かりやすかった。また、「重要」のマーク、「最近の改正」のマークが付けられていて、勉強のメリハリをつけるのに役立った。また、4分野ごとに分冊化されており、持ち歩くにも便利だった。

・分野別過去問題集は、勉強の初期に役だった。但し、民法等が105問、宅建業法は90問、法令上の制限は73問、その他関連知識は37問で、トータル305問しかなく、これだけでは合格点には届かず、半分位しか点が取れない印象。

・過去問12年PLUSは、本番と同じ問題の並び方(民法等→法令→その他(5点免除以外)→宅建業法→その他(5点免除)で解けるので実践的。毎年1題出る統計問題は最新データで作り直した12年分のダウンロードサービスがある。

3.答練と模試

・勉強のペースメーカーが欲しかったため、今年は予備校(TAC)でレベルチェック模試(8月30日)と答練パックというコース(8月27日~10月12日まで)を申し込み、合計7回の答練と1回の模試を受けました。本当は全国公開模試(10月1日)も受けたかったのですが、諸般の事情によりこれは受けられませんでした。

・レベルチェック模試では27/50点でD判定。

・答練は、26/30→16/30→14/30→37/50→34/50→34/50→36/50。B判定(合格まであと一歩!)を受けることが多かったです。

・答練のあと講師が45分位問題の解説をしてくださったのがよかったです。ただ、答練パックは、授業+答練のコースの途中から参加するという形態だったため、「ここは授業で何回も言いましたよね」を連発する講師の言葉がつらかった。先生、私はそこ聞くの初めてなんですけど~という言葉が喉元まで出かかりました。

4.勉強方法

(1)テキストをざっと読む。3時間で50頁位のペース。それに合わせて分野別過去問題集を解く。1問ごとに解説を読み、重要部分や分からなかったところにマーカーを引く。また、肢ごとにテキストの該当部分に戻って内容を確認する。テキストにない情報はテキストに書き込んで加える。1時間で5問(20肢)位のペース。

(2)答練に合わせて過去問12年PLUSを解く。私は5問ごとに区切りました。解説を読んで重要部分や分からなかったところにマーカーを引き、自分であやふやな部分や新知識はテキストに戻って該当箇所を確認する。テキストにない情報はテキストに書き込んで加える。最初は1時間で5問(20肢)位でしたが、6年分位回すとその後は重複して出る問題もかなり出てきたため、解説を読み飛ばせるようになりました。

5.スケジュール

(1)8月11日からテキスト読み、12日から分野別問題集開始。8月29日から本格的に勉強を開始し、テキスト読みと分野別問題集を9月7日に1周り目を終えました。

(2)9月7日より過去問12年PLUSを開始。途中1週間ほど殆ど勉強できない時期がありましたが、10月8日に1周り目を終えました。

(3)10月11日に分野別の業法を全部、13日に法令の全部、14日にその他の全部の2回目を終えました。民法等は得意科目だったので、2回目はやりませんでした。

(4)10月14日から17日(試験前日)まで、過去問12年PLUSの2回目をやりました。

(5)試験2日前から当日朝まで、苦手だった箇所(業法、法令、その他の税金)のテキストを何度も読み返しました。また、統計については、TACでもらった「法律改正点レジュメ」及び答練・模試の解説に目を通しました。

(6)1日の勉強時間は平均5~6時間、長くて7時間位でした。

6.本試験で感じたこと

・過去問を中心に勉強しておいてよかった。特に今回は過去問の焼き直しが多かった。

・答練をペースメーカーにしてよかった。特に今年は民法改正が反映される初めての年だったので、改正点を事前に総ざらいできたのがありがたかった。

・試験会場が片道1時間以上かかる場所だったので早めに家を出た(午前11時位)が、昼12時30分集合、午後1時開始の試験にはそれでもギリギリだった。

・試験会場は、申し込んだ会場(某大学)とは全く異なる高級ホテルの貸会場だった。広くて密の回避もされていて快適だった。シャンデリアの下で試験を受けたのはいい思い出になりました。

7.自己採点

TACとLECで行い、43/50点でした。思ったよりも点がよかったので、ほっとしました。

8.合格発表までの間

・各予備校の予想合格点をまとめたサイトが気になり、ずっと眺めていました。

・TACのウェブサイトで、試験で付けた肢を報告していたところ(TAC宅建士講座データリサーチ)、11月19日に参加特典の「令和2年度10月 宅建士試験解答解説」が無料閲覧専用アドレスに公開されました。事前に予備校による詳しい解説や予想点を見られたのはよかったです。

9.合格発表の日

・緊張して午前4時30分に起きてしまいました。午前9時30分にウェブサイトで合格を確認し、午前11時ころに合格証書が郵送されてきました。

10.12月試験の人へのメッセージ

・試験までまだ3週間以上あります。ギリギリまで粘ってください。

・公平の観点から、10月試験で出た問題と全く同じ問題は出ないと予想しています。主催者が公開している試験問題を入手してチェックし、まだ出てない頻出分野や改正分野を中心に勉強されてみてはいかがでしょうか。

・過去問は8~10年分位、できれば12年分やったほうがいいです。

・時間がなければ1問1答式の過去問を細切れの時間の中でされるといいと思います。11.今年不合格だった人へのメッセージ

・私も昨年落ちました。情けない気持ち、悔しい気持ちは分かります。年内はパーッと遊んで(但し密は避けてくださいね)、気分をうまく切り替えて、年明けからのスケジュールを組み立てることをお勧めします。

民法等は問題文が長く、それを読み解いて関係者や権利の関係を簡便な図に表して解答を導く技術が必要になります。予備校なりYoutubeでの無料動画配信を利用して、その技術を身に着けないと合格点までいかないと思います。時間のある今のうちに漫画でも何でもよいので、民法等の全範囲をカバーしている本にざっと目を通せるとよいと思います。

・業法は同じ問題が繰り返し出ますし配点が大きいです。皆の平均点も滅茶苦茶高いです。18/20点位取らないといけません。時間がない中で集中的に勉強するなら、業法を中心にされるといいと思います。

・法令及びその他は、過去問で出る範囲に絞って勉強するだけでOKです。時間がなければ、過去問→テキストの繰り返しをされるといいと思います。範囲が広いのでそれ以上のことをやろうとすると、沼にはまります。

12.最後に

皆様、どうぞお元気でお過ごしください。2時間の試験が受けられるだけの健康・体力・気力があるうちに集中して勉強して受かってしまいましょう。

 

では、また!

 

良品計画(7453)の株主総会に出席しました

こんにちは。にこいちです。

 

今日は、良品計画(7453)の第42期定時株主総会に出席しました。中の人として(別会社の)株主総会の運営側(雑用)に回ったことはあるけど、株主としての出席は初めて。株主としてのデビュー戦です。あまりたいしたことは書けませんが、記録を残しておきたいと思います。

(注)Q&Aの部分は早口で進められたため、ほんの一部しかメモを取れていません。よって中身は保証しませんが、議題と雰囲気はこんな感じだったということでご了解ください。

 

1.概要

・日時:2020年11月27日(金)午前10時~10時45分位

・場所:ベルサール高田馬場(JR&メトロ高田馬場駅から徒歩10分位)

※招集通知には、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から極力書面・インターネットによる事前の議決権行使をし、来場は控えるよう依頼がありました。また、来場を希望する株主にはウェブサイトで事前登録をし、抽選で当選した人だけが来場できることとなっていました。また、インターネットによる事前の質問を受け付け、株主の関心が高いものについて株主総会で取り上げる予定である旨が記載されていました。

・入場の手順:手をアルコール消毒→検温(おでこに検温機のセンサーを照射して計測する方法とスマホ状の機械で入場者の動画を撮影しその画面に体温が表示される方法の2種類のうちいずれか)→受付(招待メールと議決権行使書を渡すと入場票を渡される)

・会場の雰囲気:シックな会場。天井は黒で埋め込み式のライトが配置されている。絨毯も無彩色。無印良品のイメージに合う場所でした。

株主総会が始まる前のスクリーンには、新商品やサービスの紹介(カタログ)のスライドが映し出されたり、会社のイメージ動画が次々と映し出されました。これが大変すばらしかった。例えば、様々な場所(工場や自宅内、外階段など)を掃除する映像がつなぎ合わされた動画、無印の衣料品(ヤクの毛が混じったウールセーター)を着た中年男性が山に出掛ける様子の動画、無印の製品(家具・雑貨など)に囲まれた若い女性の1日の生活を紹介した動画、自分で詰める水のボトル(新製品)を利用する若い男性の動画など。どれも美しく清潔感にあふれた映像で、セリフのない映画を見ている気分になれました。

 

2.株主総会の様子

(1)定刻どおりに開始。役員全員マスクをしての入場・着席されました。社長の松﨑さん(以下「社長」)が議長を務めました。社長より、以下の話がありました。

 ・ESG経営のトップランナーを目指す

 ・環境・地域社会・従業員に貢献したい

 ・今期はコロナの影響により減収減益となった

 ・オンライン事業を伸長する

 ・店舗は欧米中心に一部休業し、飲食の席も間引いた

 ・本部事業はテレワークを推奨し、会議体はオンラインを基本とした

 ・第1号議案(剰余金の処分の件)、第2号議案(取締役5名選任の件)は、招集通知記載のとおり

 

(2)事前質問への解答(全て社長が回答)

Q1:ダイバーシティ役員報酬について

A1:ダイバーシティは重要。国籍・性別に関わらず採用したい。例えば、女性は役員としても数名採用しているし、従業員全体の34.5%をしめている。役員報酬については基本報酬:業績連動報酬:ストックオプションの割合を6:2:2と考えている。

Q2:海外事業について

A2:中国、台湾、タイを強化したい

Q3:店舗とインターネットとどちらに注力するのか?

A3:どちらも重視しているが、特に遅れているネットを強化する。

Q4:グローバルサプライチェーンにおける課題

A4:原価低減、適切な生産調整を心がける(というような内容だったと思いますが、ここはメモを取り切れず、よく分かりませんでした)

Q5:生活雑貨の価格見直しは続けるか

A5:競合他社との差別化を図っていきたい

Q6:ホテル事業の収益構造、今後の方針

A6:急速に拡大はせず適切に行っていく

Q7:貸倒引当金繰入額の内容

A7:アメリカ、カナダ、欧州子会社に対する貸付

Q8:ESG経営について

A8:さらに透明性を高める経営を行う。統合報告書を発行する予定。

Q9:子会社のグループガバナンス体制

A9:(メモ取れず、内容不明)

Q10:コロナ終息後の株主総会運営 お土産を復活してほしい

A10:検討する(というような内容だったような。ここもメモ取り切れず)

 

(3)会場でのQ&A(全て社長が回答)

Q1:新規出店に当たっての考えを知りたい

A1:より地域社会に入り込んで出店したい。地域の課題を解決していくような出店をしたい。

Q2:類似商品・類似店舗への対応

A2:法務部に類似商品を判定してもらい、特許・実用新案・意匠・不正競争防止法などで判断して、できるものは訴訟など適切な対応をしている。例えば、類似のラックについての訴訟は勝訴している。中国も知的財産保護に力を入れるようになった。訴訟も大切だが、品質・価格がしっかりしたものをマーケットに出すことも大事。

Q3:業績の開示方法。また、業績予測はアグレッシブか保守的か。

A3:既存店とネットは一体と考えているため一体で開示している。予測の102%は普通に商売ができる前提なら達成できる数字と考えている。ネットの160%も5月にamazon、6月に楽天に販路を拡大したため達成可能と考えている。現在ネットが10%だがもっと構成比率を上げていきたい。

Q4:海外ECを強化してほしい。メイソウよりも後にMUJIが出たと言われブランド価値が毀損したと言われないか。例えば、インドネシアには進出しないのか。

A4:海外事業は各国の生活が確保できないと進出できない。メリハリをつけて売上・利益が出る形でいきたい。日常生活で商品を使ってもらいたい。インドネシアではフランチャイズで運営している。

Q5:環境問題への取り組み

A5:1980年にデビューしたときから、創業時の商品から、環境問題に取り組んでいる。素材、生産工程、梱包など。例えば、現在、ペットボトルの水は販売していない。また、下着などのフックにプラスチックの使用は止めている。

Q6:①他の飲料はペットボトルで売っているが水と同じにしないのか、②商品の回収・リサイクルはしないのか、③環境に対する対応の具体的な内容、④店内マップを作ってほしい

A6:①検討中、②衣服の回収はしている(ブリング)。家具はサブスクなどで対応しているが、回収は今後検討していきたい。③ESGについては中期経営計画で具体的な骨子を発表するつもり。④店舗の中にはマップがある場所もあればない場所もある。貴重なご意見として伺いたい。

Q7:福袋が無くなったのはなぜか

A7:客が多く来店して混乱するのを避けるため。また、SPAとして正月に売るためだけの商品を作りたくないし、他方で処分品も入れたくない。(質問者より、友人が福袋の商品のファンなので残念がっている旨の追加コメントあり)

Q8:①インターネット販売についての今までの考え及び今後拡大するための方策、②M&Aについての考え方

A8:①2013年からMUJI PASSPORTが始まり来店客がずっと増えていた。インターネットについては来店への送客を中心に考えていた。しかし、最近の顧客は非接触での販売を求めている。専門の組織が専門の会社と共同して検討している。まだ「見やすい 買いやすい 売りやすい」のは店舗のほうが上なのでそこをネットでも改善していきたい。②一貫した思想の元に経営している。もし進めている事業の中でM&A、事業提携するメリットがあるなら検討する。

 

3.感想

・全体にソツのない丁寧な対応でした。ちょっと分かりにくい質問にも、社長が質問内容を確認しながら柔軟に対応されていたのは、さすが大会社のトップだなあと思わされました。

・業績が回復基調で株価も底値から少し上がっていたからか、あまり厳しい質問は出なかったと感じました。コロナの影響が長引いた場合の業績見通しとかの質問が出ればもっとよかったと思います(私は別の質問をしてしまったので聞けず。質問は基本1人1件に限定されていました)。

・社員の皆様の対応も丁寧で好感が持てました。コロナ禍で準備がさぞかし大変だったと拝察します。本当にお疲れ様です。

 

以上で報告を終わります。長文失礼致しました。

 

では、また!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2020に投票しました。

遅くなりましたが、投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2020に投票しました。

 

迷いに迷った挙句、某ファンドに全振りしました。今回は、投票内容を開示するのは止めようと思います。昨年は、皆のブログから勝手に数字をカウントした記者さんが予測記事を書かれて、あまりいい気持ちがしなかったような記憶があるので。

 

東京生まれなのにアンチ巨人、車もトヨタよりホンダ・日産が好きと言ったら、分かる人には分かるかな?

 

発表の日を楽しみにしています。皆に会えず残念だけど、お互い、コロナ禍を生き延びましょう。