愛読書「となりの億万長者」(The Millionaire Next Door)その1

皆様、こんにちは。にこいちです。

 

最近、友人・知人・親戚に本をプレゼントして回ってます。その中でも、ウケがよかった「となりの億万長者」について、何回かに分けてご紹介しようと思います。

 

1.概要

「となりの億万長者」は、アメリカのスタンリー博士(1944年生・2015逝去)とダンコ博士(1950年生)のお二人による著書です。お二人が1万人以上の億万長者にインタビューとアンケートをした結果に基づき、小話を交えながら、富裕層の共通項をまとめています。

 

 累計200万部超のベストセラー、かつ、1996年発行のロングセラー(発行から約25年)。日本では1997年に早川書房から日本語訳が発行され、2013年に再度早川書房から新版が発行されています。2013年版は、作家の橘玲さんが推薦帯をお書きになり、私は橘さんのファンだったことから、この本を知りました。最近だと、色々な方がブログやYoutubeでこの本を紹介されているみたいですね。

 

2.億万長者の共通項

(1)億万長者(100万ドル/1億円以上の純資産を持つ人々)の多くは高級住宅街に住んでいないブルーカラー(労働者階級)。ぜいたく品(食品、住宅、車、衣服、時計など)を持たずに質素に暮らす。収入よりはるかに低い支出で生活している。

(2)お金持ちになるには、幸運、遺産、高学歴、頭の良さではなく、自分を律する強い精神力を持つこと、勤勉、我慢(倹約)、計画性などが大切。

(3)資産形成のために、時間、エネルギー、金を効率よく配分している。

(4)社会人になって以降親から経済的援助を受けない。同じように、自分の子供が社会人になって以降は経済的援助をしない。

(5)ビジネスチャンスをつかみ、自分にぴったり合った職業を選択している。

 

3.ココが面白い

(1)億万長者の特徴は「倹約、倹約、倹約」。よって、億万長者の生活をテレビ番組にしても地味過ぎて全く面白くない(ジョニー・ルーカスの小話)。

(2)医者に金持ちは少ない(蓄財劣等生ドクターサウスと蓄財優等生ドクターノースの比較)。一般に、学校に長くいればいるほど収入を得て資産形成にとりかかるのが遅れる。また、学歴の高い人は世間体に気を使い、見栄消費に金を使う傾向にある。特に、医師は高収入であることから、資産形成に必要性を感じず、投資に力を入れない傾向にある。

(3)「車であなたの価値が決まるわけではない」。友人のプレゼント「ロールスロイス」を「魚釣りにいって、とれた魚をポーンと後ろの座席に放っておくわけにはいかないだろう」と断ったアラン氏の話が秀逸。

(4)経済的援助を与えれば与えるほど子供は資産を蓄えず、援助が少なければ少ないほど資産を築くようになる。親から得た経済的援助は浪費され貯蓄・投資には回らないことが多く、また子供の独立心に水を差す。子供には魚の釣り方を教えよう。

 

4.まとめ

(1)”資産を築くには守り(ディフェンス)が重要”ということに重点を置いた本。100円稼いでも110円使ってしまえば金はたまらないというごく当たり前のことを繰り返し説く。人間はつい見栄を張りたくなるし、いい物を食べ、いい物を持ちたくなるが、その本能に逆らい、経済的自立を果たすことが大切。

(2)少し古い本であり、アメリカ人の著者による本だが、日本でもほぼあてはまる内容となっている。ちなみに、蓄財本の著者として有名なロバート・キヨサキ氏の「金持ち父さんのキャッシュフロークワドラント」の末尾の表(アラン・ジャック氏作成)では、「投資家として成功している中流の人」の情報源として「となりの億万長者」があげられている(やや批判的な紹介の仕方か)。「金持ち父さん貧乏父さん」シリーズはレバレッジをかけた「攻め」の投資を勧めるのに対し、「となりの億万長者」は倹約や計画性のある「守り」の貯蓄・投資を勧めているので、万人向き・再現性が高いのは「となりの億万長者」のほうだと思う。

(3)知人の医師2人に送ったところ、1人からは黙殺されたが(たぶん読んでない)、もう1人からは「大変面白くためになった。人生で最もよかった本の1冊」と高い評価を受けた。

(4)この本はなぜかインデックス投資家に人気があるが、個別株投資家が読んでも参考になる本だと思う。緊急事態宣言が続く夏休みのお供に、是非読んでみてください!

 

それでは、また。