「金持ち父さん 貧乏父さん」、バフェットと簿記の勉強

 こんにちは。にこいちです。

 連日猛暑日が続きますね。皆様、お盆休みはどう過ごされているでしょうか?

 私は、久しぶりに勉強を離れて好きな本を読んだり、親戚に会ったりして、のんびり過ごしています。

 今日は、投資のためには簿記(会計)の勉強をしなくては、と思うきっかけとなった本をご紹介したいと思います。

 

1.「金持ち父さん 貧乏父さん」(ロバート・キヨサキシャロン・レクター著)

 「金持ち父さん、貧乏父さん」は、2000年に初版が刊行された投資本のベストセラー。シリーズ全体の発行部数は日本国内で累計400万部を超えたほか、全世界では51種類の言語に翻訳、109か国で発行され、累計部数は4000万部を突破したと言われています(2022年8月現在)

 出版して爆発的に売れたころに私も1回読みましたが、その当時はあまりピンと来ずに放置してました。2010年ころに投資に興味を持ち読み直したところ、その面白さにはまってしまい、今まで6回以上繰り返し読み直しています(現在持っているのは初版第90刷)。

 この「金持ち父さん 貧乏父さん」は、金持ち父さんの六つの教えとして、

 ①金持ちはお金のためには働かない、

 ②お金の流れの読み方を学ぶ、

 ③自分のビジネスを持つ、

 ④会社を作って節税する、

 ⑤金持ちはお金を作り出す、

 ⑥お金のためではなく学ぶために働く、

について詳しく紹介し、実践するための方法を教えてくれています。

 ②のお金の流れの読み方を学ぶに関する記述として、以下のような文章があります。

 金持ちになりたければ、お金について勉強しなければならない。(90頁)

金持ち父さんは私の顔を見るたびに「ファイナンシャル・リテラシー(お金に関する読み書きの能力)」をマスターする必要性を説き続けた。(91頁)

会計学」が世界で最も退屈な科目だと思っている人は多いだろう。おまけにわかりにくさも天下一品だ。だが、金持ちになりたいと思ったら、長い目で見てこれほど役に立つ学問はない。(91頁)

ファインナンシャルIQというのは次のような四つの専門的分野の知識(注:会計力、投資力、市場の理解力、法律力)から成り立っている・・・。

1.会計力

私はこれをファイナンシャル・リテラシーと呼んでいる。自分の「帝国」を築きたいと思っている人には不可欠の技能だ。扱うお金の量が多くなればなるほど、その扱いに正確さが要求される。そうしなければ築いた城は崩れてしまう。この技能に必要なのは左脳の働きだ。あるいは細かいところに気を配る能力と言ってもいいだろう。これは具体的には、貸借対照表損益計算書といった財務諸表を読んで理解できる能力を示す。この能力を使えば、どんな種類のビジネスにおいてもその強みと弱みを見極めることができる。(144頁)

 

2.「ウォーレン・バフェット 成功の名語録」(桑原晃弥著)

 2012年に発行された著名投資家バフェットの名語録集。右頁で1フレーズを紹介し、左頁でそのフレーズの解説を行っています。巻頭にはバフェットの年表もあり、バフェットの思想や半生を手軽に学ぶことができる、読みやすい本です。 

投資で勝つための必須能力を、バフェットは四つあげている。

財務会計や簿記の知識。企業の活動を知り、財務諸表を読みこなす力は不可欠だ

②ある程度の情熱

③辛抱強さ

④冷静さ

(109頁)

 

3.「バフェットの財務諸表を読む力」(メアリー・バフェット&デビット・クラーク著、峯村利哉訳)

 個別株の勉強を始めたころに、有名投資家のらうさんから教えてもらった本です。次の一節は、四季報investorsのdojimaさんも講義の中で常に引用されています。

「あなたは会計を理解するだけでなく、会計の行間に潜む機微を理解する必要がある。会計はビジネスの共通言語だ。言語として完全とは言いがたいものの、会計を学ぶ努力をしないかぎり、そして財務諸表を読んで理解する努力をしないかぎり、自分で株の銘柄を選択することなど夢のまた夢である」-ウォーレン・バフェット(14頁)

 

4.「金持ち父さん 貧乏父さん」、バフェットの本はすべてアメリカの制度を前提に記述されています。なので「会計を学べ」と言われても、日本ではどのような学問をすればいいのか、いまいちピンときてませんでした。大学の商学部の授業で使われる難しい「会計学」の教科書を読まなければならないのかな?自分にはそんな難しいことはできない、とあきらめていました。

 個別株の投資を始め、簿記の予備校(TAC)に行き試験を受けるように勉強会(四季報investors)で指導されても、簿記の勉強と「金持ち父さん 貧乏父さん」やバフェット本とのリンクを意識したことはありませんでした。

 しかし、最近、簿記1級の勉強に進んでみたところ、原価率・利益率や割引現在価値の計算をしたり、「金持ち父さん 貧乏父さん」の名フレーズ「資産は私のポケットにお金を入れてくれる 負債は私のポケットからお金をとっていく」ことを示す図とそっくりの図を予備校の先生が黒板に書いて説明してくださったりして「ああ、あの本で読んだフレーズや図は、こんなに高度な話をごく単純化して分かりやすく説明してくれていたのだ」ということが分かるようになると、勉強が面白くなってきました。また、投資している企業の財務諸表を前よりも短時間で読めるようになり、バフェットのいう「会計はビジネスの共通言語だ」「企業の活動を知り、財務諸表を読みこなす力は不可欠だ」という言葉は、そのとおりだと思うようになってきました。決算発表を見て、なぜこの企業は株価が上がるのか、下がるのかということもおぼろげながら分かるようになりました(間違うことも多々ありますけど)。

 簿記は手軽に予備校で習うことができます。通信専門の予備校もあります。最近はYoutube動画(例えば、ふくしままさゆき先生など)で無料で習うこともできるようになりました。また、試験を受けるのに資格制限はありません。

 どの人でも幅広く学べる学問ですので、投資に興味がある人は是非学ばれるといいのではないかと思います。

 ちなみに、私はずっとインデックス投資を中心にしてきたため最近まで簿記の勉強を学ぶ必要性を感じずにきたのですが、簿記で得た知識は、自分や家族の財務諸表を作るのにも役立っていますし、経済ニュースを理解するのにも役立っています。何よりも、個別株投資にはどういう手間がどれだけかかるのか/どこが面白いのか、ボーグルさんの開発したインデックスファンドがなぜ素晴らしい発明なのか、理由がよくわかるようになります。インデックス投資家さんにも簿記の勉強をお勧めします、視点が広がり楽しいですよ。

 では、また。