旅行記(8)-広島→呉:戦艦大和ミュージアム&夕呉クルーズ

こんにちは。にこいちです。旅行記(8)を続けます。

 

【8日目:広島→呉】

朝、ホテルをチェックアウトして、広島電鉄に乗り広島駅へ。大きな「ディスコ」(証券コード6146)の看板を見ながら、呉線で呉駅に向かいます。ライナーに乗ればよかったのですが、待つのが面倒臭くて、鈍行に乗りました。外の景色を見ながらのんびり乗り鉄を楽しみました。

昼ころに呉駅に到着し、ホテルに荷物を置かせてもらい、出発。フェリー乗り場兼待合所に向かい、夕呉クルーズのチケットを購入しました。

その後、大和ミュージアムへ。呉の歴史、戦艦大和の歴史、戦闘機や特攻兵器の展示などを見学。地方の小さい漁村だった呉が軍事都市に指定されて以降、飛躍的に発展してきた様子を学んだり、戦艦大和の模型の大きさに驚いたり。

中でも心に残ったのは、特攻兵器「回天」(魚雷)の展示と「回天」に乗る直前の乗組員の声の録音。いかにも軍国少年っぽい(北朝鮮のアナウンサーのような)固い口調なのかな?と思いましたが、そうではなく、現代の若者と何ら変わりない柔らかい語り口。このような若者が100人以上「回天」での特攻で亡くなったそうです。しかも、“若い命を大切にすることをモットーとしていた海軍は何度も特攻を止めたのに、若者が特攻を強く主張してそれを止めることができなかった”というような説明があり、暗澹としました。誰がいつどういうことを主張・議論して、回天での特攻に至ったかの説明もなかったですし、若者がそういう主張をせざるをえない環境を作ったのは、明らかに大人の責任ではないのでしょうか。責任のがれっぽくて、私にはあまり納得がいかない説明でした。

戦艦大和の大きな模型は、男性の皆さんに大変人気でしたが、日本海軍最大の失敗(戦闘機&空母の時代なのに、技術の発展による戦術の変化を読み間違えて、戦闘機に狙われやすい大きな戦艦を作ってしまった)なのに、かっこいい存在として崇められている感覚というのが、自分にはよく分かんなかったです。むしろ、自分としては、この悲劇を繰り返さないためにはどうすればよかったか、という検証のほうが見たかったですね。

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海軍工廠給料明細表(1941~1945年)

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給料明細表の例

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給料明細表の例

給料明細表の項目を書き出すと以下のとおり。

・収入:支給総額、諸加給、定期賞与、退職手当

・控除金額:共済掛金、保険掛金、購買所、貸付部、海士会、貯金、治療費、

 倶楽部費、全物品代、同窓会費、住宅資金

交付金

収入-控除金額=交付金額 なのでしょう。

収入はもっと階層別(大将手当とか少将手当とか)に項目が分かれているのかと思っていましたがそうではありませんでした。控除金額の共済掛金と保険掛金はどう違うのかな?これはよく分かりません。怪我が絶えない職場でしょうに、治療費を差し引かれるのはつらいなあと思います。貸付部があるのは、前借りする人が多かったからなのかな。貯金という項目があるのも面白い。個人で銀行に預けるより職場で貯金する人が多かったのでしょうかね。

 

海軍水平生活漫画絵はがきが面白かった。水兵さんたちの生活がイキイキと描かれています。戦前から漫画は人気だったのですね。

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海軍水平生活漫画絵はがき

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入団

「初めて着る水兵服 僕もいよいよ水平さんだ」「丁度いいであります」「今日から立派な海軍軍人だぞ」「一生懸命がんばるであります」

 

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食事

「あーあ 今朝の御飯はばかにうまかった」「うーえ もう腹いっぱいだ」「うーん 胸につかえ(へ)た」「あんまりあわててがつがつ食べるからだよ」

 

絵はがきは10枚以上あったと思いますが、いずれも力作でした。水兵さんのご家族はこういう絵はがきを入手して、ご家族がどういう生活をされているか、案じていらしたのでしょうね。是非、直接ご覧になることをお勧めします。

 

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女子挺身隊員の給料袋と給料明細表

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給料袋と給料明細表の例

給料明細表の項目を書き出すと以下のとおり。

・支給額:総額、諸加給計、(内)家族手当、(同)定期賞与、(同)退職手当

・控除額:所得税、共済掛金、保険掛金、舎費、購買代金、貸付金、住宅資金、治療費

     国民貯金、郵便貯金、団体保険、諸会費、家庭送金

・交付額

支給額-控除額=交付額、なのでしょう。

水兵さんの給料明細表にはなかった家族手当が入っています。この当時は女性が働くと家族手当が付いていたんですね。ちょっと不思議です。こちらにも、共済掛金、保険掛金、団体保険など、保険ぽい項目が一杯あります。どういう違いなのか、知りたいです。水兵さんの給料明細表にはなかった家庭送金などという項目もあります。この控除項目を全部引かれていたら、手取りが残らない気もします。

 

午後2時30分過ぎまで見学してお腹が空いたので、呉ハイカラ食堂に行きました。

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呉ハイカラ食堂 艦船内を思わせる装飾

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名物・海軍カレー

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呉名物・冷麺

カレーはあまり辛くなくてマイルドな味。冷麺はほぼ冷やし中華ですが、味はおいしかったです。

 

港へ戻って、夕呉クルーズに乗りました。海上自衛隊護衛艦や潜水艦などの近くをクルーズし、夕陽も見られるというものです。所要時間約35分、大人1名1500円。

 

海上自衛隊退院のOBの方が軽妙な語り口で色々船の紹介をしてくださり、乗船したお客さんから笑い声が上がることもしばしば。一番の見どころは、潜水艦の上に乗組員の方が出てきて、敬礼をしたり、日没と同時にラッパを吹くところ。クルーズ船の乗客が手を振ると振り返してくださる乗組員の方もいらっしゃいました。この部分は全部動画で撮影したため、写真はありません。艦船に興味のある方は是非ご参加の上、自分の眼で楽しんでくださいませ。

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船(名称不明)

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船(名称不明)

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音響を利用して潜水艦の位置を探る船(正式名称不明)

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艦船

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夕暮れ

クルーズ後にホテルでチェックインしてから、クルーズ船の海上自衛隊OBの方に勧められた居酒屋権三(ごんざ)に繰り出しました。人気店のため、30分位待って入店。ここも予約したほうが良さそうなお店です。入口も店の奥の方も、体格の良い若い男性が一杯。元気のよい声があふれています。未確認ですが、海上自衛隊隊員さんの行きつけのお店かもしれません。おかげで、刺し盛りや他の料理も盛りがよかったです。

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刺し盛り 鰆の炙りが絶品

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牡蠣の四川風味?(名称不明)

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焼酎「もぐら」 おいしかった

8日目はこれで終わりです。