旅行記(4)-下関→門司→小倉

皆様、こんにちは。にこいちです。

昨日の東京は大雪。久しぶりの雪景色で嬉しい気持ちもする反面、寒いし道路は凍結するしで、家の中に閉じこもっています。

オミクロン株も蔓延してきて、沖縄・山口・広島にまん延防止重点措置が決定されましたね。私が今回旅行してきた先が二つも含まれていて(山口&広島)、驚いています。1か月前に旅行に行ったときは、山口はそれほどひと気がなかったのだけれど、年末年始で感染が拡大したということでしょうか。皆様のご無事をお祈りしています。

さて、旅行記の続きを行きます。

 

【4日目:下関→門司→小倉】

スーパーで買ってきたパンをホテルの部屋で食べて、朝食終了。ホテルをチェックアウトし、門司港行きのフェリーに乗るためにバスで港へ向かいます。バス停の並び方がよく分からずまごまごしていたら、親切なおじさん3人が教えてくれ、無事バスに乗れました。その節はお世話になりました。ありがとうございます。

下関港近くのバス停に到着。港に併設されている唐戸市場に行ってみたかったのですが、スーツケースはあるし時間もないしで断念。今度行く機会があったら是非行ってみたい。

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フェリーで見かけた貨物船 ONEのボックスが並んでいます

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門司港駅

木下斉さんがVoicyで紹介されていたように、門司港駅の駅舎及び周辺にはレトロ建築がたくさんあり、観光名所になっています。門司港駅の前でも、高校生・大学生のグループが何組か、写真を撮っていました。門司港駅の左側には、バナナの叩き売り発祥の地の説明文や碑がありました。大正から昭和にかけてさぞかし門司港は活気にあふれた町だったのでしょう。

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バナナの叩き売りについての説明文

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バナナの叩き売り発祥の地の碑

スーツケースやリュックを門司港駅のコインロッカーに入れて、しばし駅舎の中をうろうろ。中にもレトロなものがあふれています。

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門司港駅内 昔の切符売り場

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関門連絡船通路跡

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手水鉢

駅舎を出て右斜め前に向かって道路を渡ったところにある、旧門司三井倶楽部の建物。三井倶楽部の2階は見学できます(有料)。階段上がった手前にはアインシュタイン夫妻が来日した際に泊まった部屋が再現されています。

その部屋を通り抜けた奥には、「放浪記」で有名な作家の林芙美子に関するものが展示されている部屋がいくつかありました(撮影不可)。林芙美子さんは門司で生まれたという説があるためです。

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旧門司三井倶楽部の建物

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三井倶楽部のステンドグラス

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三井倶楽部の2階 アインシュタイン夫妻来日時に宿泊した部屋の再現

三井倶楽部を見学し終わったあとは、旧大阪三井商船三井船舶株式会社門司支店の建物に行きました。1階には、漫画家・わたせせいぞうさんのギャラリーがあり、多くの作品が展示されていました。わたせせいぞうさんは小倉市のご出身。昔、モーニングで「ハートカクテル」や「菜」を読んでいたことを懐かしく思い出しながら見学。今見ても、美しい配色でおしゃれな絵。わたせさんの繊細な感性をはぐくんだのが北九州の地かと思うと、じーんとします。

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大阪商船三井船舶株式会社門司支店

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大阪商船三井の建物

見学を終えて、近くのカレー屋さん(インド料理ニューナンダン門司港店)に飛び込みました。門司名物焼きカレーを食べましたが、味は普通。もう少し辛いほうがよかったかな?ビリヤニは炒ったカシューナッツが香ばしくておいしかったです。

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ビリヤニ

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門司名物 焼きカレー

お腹も一杯になったところで、見学再開。大連友好記念館は外からの見学のみ。中は民間のレストランです。

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大連友好記念館

門司港レトロ展望室にも行きました。「壇ノ浦の戦い」(1185年)で有名な壇ノ浦が見えました。平氏と源氏が戦って平氏が滅亡した戦いです。この小高い丘の崖が1000年前は戦場だったのね、と思うと感慨深いです。

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門司港レトロ展望室

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壇ノ浦

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船も見えてロマンを感じます

展望台を出て次に向かったのが、門司電気通信レトロ館。電信・電話に関する古い機器類等が展示されています。電話機、交換機、携帯電話、公衆電話など。通信マニアにはたまらないんじゃないかな。古い電話帳(といっても、数十人の名前と番号がA4・1枚の紙にまとめられたもの)のコピーを頂けます。あの渋沢栄一さんや渋沢喜作さんのお名前も載っています。

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電気通信レトロ館の看板

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門司電気通信レトロ館の建物

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電話交換機 線をつなぐところを実演できます

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給料袋(1950年代)の説明文

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給料袋の例

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給料袋の例

給料袋も展示されていました。項目を書き出すと以下のとおり。
・給与支払総額:基本給支給額、扶養手当、勤務地手当、特殊作業手当、有技者手当、超過勤務手当
・控除額:共済組合(短期掛金、長期掛金)、国庫納金、所得税、市町村民税、共済掛済金、宿舎費、労働用物代金、相互扶助会費、組合費、(預)(住)
・厚生係扱引去額:簡易保険、第一生命、朝日生命労働金庫山形屋、銀座堂、購買(電話局、電報局、通信部)、かめやウサギ屋、映画サークル、同窓会費、牛乳、定期券、カメラ、開文堂、囲碁会、クリーニング、会食
・積立貯金

・端数貯金

給与支払総額-控除額-厚生係扱引去額-積立貯金-端数貯金=現金支給額となっていたと思われます。また、共済というのが今の年金的なものかと思います。簡易保険、第一生命、朝日生命など保険会社の名前が給料袋に印刷されているのが驚きです。いかにこれらの会社と電信電話公社との関係が深かったかを示す貴重な資料じゃないかしら。日本人が保険漬けになっているのはこういう背景があったからではないかなと思いました。山形屋・銀座堂・ウサギ屋など、一般の商店若しくは百貨店ぽい名前が印字されているのも興味深いです。電電公社お抱え商店で、社員はツケで買い物ができたということなのかなあ。エリート社員が肩で風を切って威勢よく歩く姿が目に浮かびます。積立貯金や端数貯金もできますが、項目は最後。今で言う「先取貯蓄」は、やりにくい構成になっているように見えます。
ここまでいろいろ会社にお金をコントロールされていると、今より社畜度は高かったんじゃないかな。厚生係に聞けば、毎月誰が何にいくらお金を使っているかが丸分かりだもんね。こわいなあ。

てなことを思いつつ、電気通信レトロ館をあとにし、九州鉄道記念館へ。

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レトロな列車 昔こんなの走っていたよね

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レトロな列車の数々

門司の市場にも立ち寄りましたが、ほとんどシャッターが閉まっていて、ひと気なし。あまりに侘しいので写真も撮りませんでした。また、旧門司税関や三宜楼という有名な建物や関門海峡ミュージアムも見たけど、あまり面白くなかったので割愛します。

さて、門司港駅でコインロッカーから荷物を出して、電車で小倉駅へ移動。

ホテルにチェックインして一休みしてから、木下斉さんお勧めの鰻屋「田舎庵」へせいろ蒸し(鰻重を蒸したもの)を食べに行きました。

せいろ蒸しは初めて食べたけど、要するに上から下までめっちゃ蒸されて熱いほかほかの鰻重w  舌を火傷しないように気を付けつつ食しました。

お隣の席は、品の良い初老の男性とうら若き女性の組み合わせ。男性がお酒をお誘いしたのに、女性から「今日は車で来ているから」ときっぱりと断られて残念そうにされていたので、心の中でエールを送りつつ、店を後にしました。

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せいろ蒸し(蓋を開ける前)

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せいろ蒸し(蓋を開けた後)

4日目はここでおしまい。いったん切ります。