三菱UFJ投信第2回ブロガーミーティングに参加しました(その2)

こんにちは。にこいちです。9月28日に開催された、三菱UFJ投信(MUAM)第2回ブロガー・ミーティングの参加報告の続きです。式次第の2部と3部を今回ご紹介致します。メモできたのは、発言の6~7割程度であり、聞き漏らし・間違いもあるかと思いますが、ご容赦頂ければ、と存じます。

 

2.MUAM社員によるディスカッション「eMAXIS Neoシリーズの設定について

・式次第1のプレゼンテーションを担当された社員Aさんが担当社員BさんとCさんに質問をするという形で進行がなされました。

・資料として、Neoのパンフレットが配布されました。

〔A〕Neoは、アクティブ、テーマから入る投資もあるのではないかと考え、導入した。以下、Kensho社の哲学や誰のための指標なのか、を説明する。Kensho社は2013年に設立されたテクノロジー・カンパニーであり、9割がエンジニアの会社である。アセマネビジネスに参入を検討していた、GoogleFacebookAppleの出身者が集まって作った。ディープラーニング自然言語処理に強みを持っている。ヘッジファンドに独占されていた技術を一般に広めること(=金融の民主化)を目指している、とのこと。

〔A〕Neoは、S&P500を上回ることができるのか?

〔B〕まだ成長期待がある分野にフォーカスしており、S&P500を上回ることを期待している。

〔C〕Neoで選択した技術は、第4次産業革命の要素技術と考えている。Kensho社の方とは実際に会い、同社のインデックスの導入を決めた。現在、Kensho社はS&P社に買収され、100%子会社となっている。今後、Kensho社が作ったインデックスが伝統的なインデックスに取り込まれていくのではないかと考えている。

〔A〕自分は40歳を過ぎ夢がなくなってきたからかもしれないが(笑)、リスク・リターンが気になる。どうみればよいか。

〔B〕(従来型のインデックスファンドと比較すると)リスクは高くなる。

〔C〕全く分散化されていないポートフォリオを買うことになる。産業が未成熟であることもあり、ボラタイルである。産業のサイクルが新しいセクターにもあてはまり、ステーブルな動きではないと思われる。しかし、だんだんと安定していくことを想定している。

〔A〕分散の要件を満たさないため、NeoはつみたてNisaには認定されないインデックスであるが、その点をどう考えるか。

〔C〕長期投資に向いていないわけではないと考える。

〔B〕今後伸びていく産業をピックアップし、新しい投信を作っていく。

〔A〕今後も新しい投信を作っていくのか?

〔C〕S&P社とKensho社が新しいインデックスを作っている。今後も、このような世界的な流れができていくと思う。

〔A〕友達に自慢するために、自分はNeoを3種類とも買ってみようかと思っている(笑)。(※第2部はここで終了)

 

3.カン・チュンドさんと代田常務の対談

〔S〕カンさんとは、東証に呼ばれて「ETFはいいよ」という話をして以来の仲。

〔K〕一般NISAとつみたてNISAの違いであるが、端的にいえば、一般は(非課税期間が)5年、つみたては20年、ということ。一般のほうについては、2019年になって売ろうとしている人が出てきている。個人的にはつみたてNISAを勧めている。腰を据えて投資してほしい。

〔S〕分配金の出ないファンドのほうが非課税の恩恵を受けられると思うが、どうか。

〔K〕そのとおり。果実を食べてしまって木が育たない状態。

〔S〕Neoについてはどう思うか。

〔K〕(テーマの一つである)宇宙開発に興味がある。但し、宇宙開発といっても(出発から他の星の開発までと)幅広く、瞬間的なビジネスで、投資期間が限定されているのではないか、と思う。

〔S〕昨年一番資金を集めたのは外国株式でテーマ型のファンド。(今回のNeoのようなものは)関心があって買いたいと思う人もいると思う。現在、時代が変わってくるという局面であり、アクティブvsパッシブという形にこだわらなくてもいいのではないか。

〔K〕Neoは、ルール化されたアクティブ・インデックスというようなものか。元来のアクティブよりもコストが低減できるというメリットがあると思われる。

〔S〕従来型のインデックス、スマート・ベータと来て、これが第3の波となると考えている。ところで、最近、「貯蓄感覚で積立をやる」ということが話題になっているようだが、どう考えているか。

〔K〕「貯蓄感覚で積立をやる」ということについては、Twitterで議論になった。自分としては、積立投資をスタートするときに「貯蓄感覚」とでも言わないと、何十万人何百万人もスタートを切れない人がおり、まずはスタートしてみるのがよいと考えている。

〔S〕いかに(認知の行き届いていない)6割の人につみたてNISA、投資信託にふれてもらうかが大切。リスクのことを考えすぎても考えなさすぎてもだめ。

〔K〕定期・低額で小さく始め、小さなお金を入れ続けていくと、途中で失敗できる。自分に向いてない、と思ったら、途中で止めてもよい。今は口座から自動的に投資信託を買ってくれる仕組みがある。途中で向いていないと思ったら途中退場できる自由がある。

〔S〕投資理論における正解と実際の違いがある。期待リターンを最大化するには、金額×期間が大事。山崎元さんがおっしゃっていることは理論的には正しい(※ここの文脈がいまいち分からず、メモに取り切れていないため、割愛します。)。

〔K〕理論的には60%位の正しさであっても、始められる方法を選択したほうがよいのではないか。泳ぎ方など、物事を習得するときにはコツコツと続けることが大切。

〔S〕行動経済学的アプローチによると、マーケットをよく見れば見るほど、投資するリスクをとれなくなってしまう、とうことがよく言われている。

〔K〕自動引き落としによる積立とは、自分でお金をコントロールする余裕をなくすこと。毎日・毎月一定額を仕組みが買ってくれるので、投資信託の値段が気にならなくなる。いい意味でのいい加減さが育ってくれる。

〔S〕「貯蓄感覚」で問題となるのは、リスクについてもっと説明すべきという話なのか。

〔K〕そう。

〔S〕投資のリスクを抑えるため、後悔の割合を減らすために、(ストレスフリーの)積立が大切。

〔K〕価格変動があり損失を被るのが、投資の本質。積立だと毎回投資に向き合うことになる。下がれば下がるほど投資できる口数が増えるということを体感できる。

〔S〕投資家のリターンとファンドのリターンは異なるということか。

〔K〕そう。価格が下がってきた時に、下落を楽しめるか。M的な世界だと思う。継続して投資元本が積み上がっていくことと投資に慣れていく(=成熟度が高まる)プロセスが一致している。これが、積立投資のメリットではないかと思う。(※第3部はここで終了)

 

〔感想〕第2部は、熱意あふれるディスカッションでした。が、Neo自体がどうかと問われると、信託報酬が年率0.7776と(ヒット商品の)Slimよりもだいぶ高く、個人的には、正直、微妙な商品です・・・。Neoよりも、従来のeMAXISの商品について、投資家に対する説明をより充実させたり、途中償還にならないような努力や、万が一途中償還になってしまった場合の対応策(いったん換金することなく他の商品への乗り換えができるとか)を充実して頂いたほうがうれしいです。第3部は、近年のTwitter議論を踏まえた熱い対談で面白かったです。私は、最低1冊でも本を読んで勉強してから投資したほうがよいと思っていますが、1月数百円から数千円程度(=学生の1ヶ月のお小遣いレベル)であれば、勉強と投資が同時並行でもやむをえない、次善の策かな、と思います。