FIWA(特定非営利活動法人)設立セミナーに参加しました。

みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA、特定非営利活動法人)の設立セミナーがあり、興味があったので、参加してきました。

 

1.設立セミナーの概要

・日時:2019年11月21日(金)午後7時~11時(?、途中で抜けたため終わりは不明)

・場所:浜松町駅近くのビルの会議室

・参加者:主催者側も含め100人位。背広組多し。

・第1部は着席のセミナー形式で、午後7~8時。第2部は別の部屋に移り、立食パーティー形式。

・会費:5000円

 

2.FIWAの概要(当日配布されたパンフレットと主催者からの聞き取りによる)

・理事長は岡本和久氏(CFA®)、副理事長は岩城みずほ氏(CFP®)及び原田武嗣氏(CFA®)。

・CFP、AFPといった専門家を対象として、会員や寄付者を募集する。

・主な事業としては、①生活者と専門家のサロン的セミナーや勉強会を開催したり、②FIWA通信「インベストライフ」を刊行したり、③会員(正会員、準会員)の認定を行ったり、④物販を行うなど。

・会員・準会員からの会費は年間1万5000円程度を考えている。

 

3.第1部の内容

(1)岡本和久氏挨拶

今日は天候が悪い中おいで頂き、ありがとうございました。が、雨降って地固まると申しますので、創立セミナーを開く日としては悪くないと思います。この会のビジョンですが、皆さまにお金の心配をしないですむようになってほしいということです。今年、老後資金の2000万円問題が話題になりました。若い人は積立投資をすればよいですが、ミドルエイジ以上が問題です。そういうとき、助けになるのがアドバイザーと考えています。また、アドバイザーが1つの職業として成り立ってほしいと思っています。会の名称であるFIWAについて説明します。FはFiduciaryのFで、相談者の利益のために忠実(Fiduciary)なアドバイスをするということです。IはIndependentのIで、利益相反のない独立したアドバイスをするということです。WはWealthのWで、ライフプランに基づく資産全体のアドバイスをするということです。AはAdvisorのAで、知識、経験、倫理観と行動規範に基づく専業アドバイザーということです。この会を作った目的の第1は、アドバイスの質を高めるということ、これならお金を払っても価値があると思って頂くようにすることです。第2は、生活者に正しい知識を持ってもらい、アドバイザーとの間に、生産的・合理的な会話が成り立つようにしたい、ということです。会員としては、正会員、準会員、友の会の3種類を設けようと考えています。(注:ここで、FIWAの倫理規範についての説明や、職業行為基準についての説明がありましたが、ノートが取れませんでした)。さわかみ投信が立ち上げられた当時、投信への投資がこんなに大きくなるとは思わなかった。アドバイザー事業も同じで、5年、10年経って、こんなに大きくなったと思えたら嬉しいです。年齢的に、最後のご奉公と考えており、全力でやっていきたいと思います。日本の資産運用の質的な向上に努めたいと考えております。

 

(2)ここで、岡本氏、永沢裕美子氏(Foster Forum)、田村正之氏(日経新聞)、今井利友氏(国家公務員)、岩城みずほ氏(CFP®)が壇上に上がり、岩城氏の司会で、トークに入りました。以下、発言の概要を記載します(注:皆様早口のため6割程度しかメモれず。ちょっと意味が通らないところがあるかもしれませんが、ご容赦ください)。

 

Q FIWA設立に当たり一言。

田村氏:アドバイスにお金を払うという雰囲気がない。客から見て、アドバイスをする人と商品を売る人の見分けがつけばよいと考えている。

永沢氏:岡本さんとは20年以上の付き合いになる。岡本さんのやることは10年早い。時間がかかるかもしれないが、要望はある。お金を払ってもよいと思われるアドバイスができるかどうかだと思う。信頼できる金融商品が求められている。がんばってほしい。

今井氏:2013年に初めて独立アドバイザー(注:Independent Financial Advisor、IFA)を知った。2014年にNISAを始めた。そのとき、イギリスに調査に行った。金融商品を売るルートとしては、一番目に●●(注:すみません、聞き漏らしました)、2番目にIFAが仲介する販売だと聞き、そんなにIFAが仲介する販売が多いのかと驚いた。IFAに、どう(仕事をして)食べているのかを質問したところ、20歳のころから顧客の資金を預かって運用したところ何十億にもなったので、その中から食べているということだった。長年の信頼が大切だということだった。日本ではIFAがないが、日本でもやらなくてはいけない、作っていかなければならないと思い、今回参加した。

岩城氏:今までこういうことを本気でやろうとした人がいなかった。最近、30~40代でわざわざ相談に来る。他のFPに相談したら金融商品を売りつけられ、不信感を持ったので相談に来たという人もいる。費用と払っても効果的に資産運用したいという人が増えている。しっかり受け止められるようになっていきたい。

岡本氏:「できない」と「しない」とは違う。このアドバイスならお金を払いたいと思えるようにしたい。

 

Q2個人投資家は難しいことは分からない。商品選定だけでなく、商品を買ってあげるところまでやらないといけないのでは?という意見があるが、どうか。

田村氏:お客によってはアドバイスをもらっても投資に踏み出せない人もいる。また、下がったときに売るのを止めたり、リバランス(買い増す)をやる人が必要になる場合もあると思う。そういうサービスを求めるお客さんとそれに応えるIFAが組み合わされるとよい。しかし、IFAでも回転売買を勧める人もいる。株や投資信託を買ってくれる中から手数料をもらっている。商品を売らないアドバイザーの認定を行うことが大切。イギリスでは、2012年に法律の転換があった。IFAはお客からの収入だけに限定し、金融機関からお金をもらうのを禁止するようになった。日本でもそのようにしたらと金融庁に言ったが、変革が大きいと躊躇された。しかし、お客だけからお金をもらいというのが世界的な流れである。

永沢氏:岡本さんのところに所属する某さんは、お客さんの口座開設から実際に取引するところまで面倒を見、また、取引報告書の見方まで教えてあげるというサービスで喜ばれた。人によっては、銀行で相談したり投資セミナーで相談すると、利益相反を感じる。それを感じない形で投資できるようにするべきでは。中立していて、手をとって伴走してくれる人が必要なのでは。そういったところを期待している。

今井氏:「アドバイザー」という言葉が曖昧なのが問題。FP、銀行、保険業者・・・、皆アドバイザーと呼ばれる。しかし、もっと身近なアドバイスをできる人が必要なのではないか。投資口座の開き方、保険や年金をどれだけ入ればいいのかなど、もっと寄り添う形でアドバイスをする人が足りない。そういう寄り添えるアドバイザー、例えばFPを増やしていきたい。

岩城氏:商品を売ってあげることまで必要という人もいるが、そうは思わない。

岡本氏:商品を販売する人はプロの販売人であってほしい。アドバイザーはプロのアドバイザーであってほしい。たとえば、肉屋と栄養士はどちらが偉いかということではなく、違う職業である。

 

Q FPは20万人いる。その中で、区分けをするのはおかしいのでは?という疑問があるが、どうか。

田村氏:「独立系」というとき、利用者の味方であるとは限らない。FPの倫理規定では「商品を売るならそれを開示しろ」となっているが、誰もやっていない。先日、若い女性からマンションの投資の営業電話が来たのでその会社のウェブサイトを調べてみたら、営業マンが皆FP3級の持ち主ということだった。FPだからこそ商品を売らない、Fiduciaryということが大切ではないか。

永沢氏:FPとFIWAが目指すものは違うのではないかと思うので、質問者の意図がよく分からない。FPは試験を受けて知識や技能を得るもので、それはそれで大切。FPにもっとやってほしいのは、ケーススタディ、すなわち顧客がどういうときに満足し、不満足に感じるのか、もっと研究してほしい。何がトラブルの元かなど。高齢者のボタンの掛け違いが多いが、自分たちのところでも繰り返さないようにしたい。具体的な経験をFIWAで共有してほしい。

今井氏:FPの見える化が必要。相談者にはどういうFPなのかが分かりにくい。ISAをイギリスに調べに行ったとき、金融機関も調べた。金融機関はブランド化に力を入れていた。すなわち、金融機関はISAで変なものを売らないように気を付けていた。日本でも、NISA導入時ブランド化を提案したが、必ずしも顧客のためではなく金融機関のキャッチセールスに使われることも多かった。これからどう信頼を得ていくか。皆の力を借りたい。

岩城氏:CFP、AFPの得る収入がFeeだけかどうか、開示しなければならないのに、あまり守られていない。見える化をすることが大事。

岡本氏:FPにもいろいろな人がいる。それぞれ職務に忠実であってほしい。1975年にNYに行き9年アナリストの仕事をした。その後日本に帰国し、永沢さんと合った。1990年に外資系の年金運用をした。2005年に投資教育を開始した。「10年早い」と色々な場面で言われてきた。今度も長期戦を覚悟している。最低限のコストで持久力をもって続けていきたい。

 

4.第二部の概要

・前方スクリーンで、FIWAの設立にお祝いを述べる方々の動画が放映されてました。さわかみ投信会長澤上篤人氏やセゾン投信社長の中野晴啓氏など。

・途中で、アドバイザリーボードメンバーのほぼ全員が壇上にあがり挨拶をされていました。社会保険労務士、税理士、司法書士、弁護士、大学教授など(公認会計士の方とアートディレクターの方が不在だったように記憶しています)。

・途中、「みずほの部屋」と題して、岩城氏がインタビュアーを務め、THEOの中村仁社長と対談する場面もありました。

・いずれも、立食パーティー中の中だったので、詳細な内容は覚えていませんが、皆さま、主に岡本氏や岩城氏の魅力に惹かれて手弁当でかけつけたという雰囲気でした。

・某つみっぷやブロガーミーティングでお世話になった方々の顔もちらほら。ブロガーは滅茶苦茶少なかったです。私以外に顔を拝見したのは、もう1人位。スーツを着ていない私はかなり浮いていたかも(涙)・・・。

 

 5.感想

・基本理念はすばらしく、応援していきたい活動だなと思いました。特に、お話の中にあった、口座開設から実際の投資や報告書の読み方まで付き添って教えるアドバイザーという立場の人が増えるといいなと思いました。自分でもやってみたい仕事の一つですね。

・当日配られたパンフレットには、どういう人を会員として集めたいか、会費を年間いくらにするかの記載がなく、まだ詰め切れていない部分もあるのかな、と感じました。

・顧客と利益相反を起こさないアドバイザーを育成するためには、もっとシステムを練ったほうがいいかもしれません。たとえば、弁護士、弁理士などは、弁護士法・弁理士法や倫理規定を設け、定期的に倫理研修で実際の問題例を学ぶことを義務化し、それでも利益相反などの問題を起こした会員は業務・資格を停止したりはく奪するなどの制裁措置をとっています。それぐらい厳しくしないと、利益相反は防止できないということかと思います。

 

以上です。では、また!