書籍「世界一ラクなお金の増やし方」を読みました。

久しぶりに、投資本の書評を書いてみようと思います。

発刊されてからだいぶ経ちますが、インデックス投資界の仙人ことNightWalkerさんの「世界一ラクなお金の増やし方」を読みました。

インデックス投資界の有名ブロガーさんの書かれた書籍としては、吊ら男さん、水瀬ケンイチさんに続き3冊目となります。私とほぼ同年代のNightWalkerさんが、長期投資の経験から得たノウハウ(暴落への対処法、出口戦略など)を詰め込まれた、というので、興味津々で読みました。

心に残った点を抜き書きすると、以下のとおりです。

・第1章に「そもそもインデックス投資って何?」という基本的な疑問に答える章があり、その中で「投資信託保有し続けるには案外難しい」(34頁)理由が説明されています。運用の途中で投資信託がなくなってしまう(償還)ことがありますが、その対処法について記載されており、目ウロコでした。

投資信託のコストの内訳が表で詳しく説明されています(45頁)。この表で初めて「その他のコスト」の意味を知りました。

インデックス投資の4大メリットの中で「カンタンに及第点の投資ができる」ことがあげられています(47頁)。これは、私も最大のメリットだと思います。誰でも、気に入った投資方法を簡単にコピーできるし、それで平均点を取れてしまうのは、投資を仕事としていない人間にとってはありがたいですよね。

・第2章では、「つみたてNISA」で超おトクに始めよう、の1章が設けられています。ここでは、リスクをどれくらい取れるのか、リスク資産をどのくらいの割合にするか、について検討されています。ここでNightWalkerさんの「私も自分のリスク許容度が分かるのに、投資を始めてから、10年くらいかかりました。」(59頁)、「リスク許容度については、少しずつ考えればよい」(同頁)とのお言葉があり、うんうんとうなづいてしまいました。私も投資を初めてから26年ほど経ちますが、リスク許容度が分かるまでに15年くらいはかかったように思います。まずは、少額から初めて、投資をしながら考えていくとよいと思います。

・第2章の最後に「つみたてNISA Q&A」がまとめられています。冒頭の「税金が非課税になるってあまりピンと来ないのですが、そんなにトクなの?」という質問は、金融庁の投資家との意見交流会(現在は「つみっぷ」という愛称がついています)でまさに疑問に思ったところで、具体的な金額をあげて説明してくださっているのが、ありがたかったです。

・第3章の「長期投資に出遅れナシ」っていうコレだけの理由では、「長期投資を始めるとき、それは、常に「今」なのです。」(87頁)と述べられています。NightWalkerさんは音楽を愛されているせいか、キメの表現が歌詞っぽいんですよね~。私は上記の表現を見て、甲斐バンドの「Hero」のサビの部分を思い出してしまいました。

・第4章、第5章では、リスクをどう管理するか(127頁)、暴落をどうやりすごすか(140頁、148頁)などの具体的なノウハウが記載されています。これは、人生経験&投資経験の長いNightWalkerさんだから書ける具体的なノウハウだと思います。投資の経験の浅い方も長い方も読む価値がある箇所です。

・第6章「アーリーリタイアを実現する時チェックしたこと」。ここは、何度も何度も読み返した箇所です。私はこの章に書かれていたチェック項目をチェックし、実は、今年の8月をもって、会社を退職し、アーリーリタイアを実現しました。特に、「ねんきんネット」ではいろいろなケースをシミュレートできる、という点は(166頁)、私自身気づいていなかった機能であり、アーリーリタイアを実現するに際し、大変役に立ちました。章末の「アーリーリタイアは究極の自己責任」という言葉は、本当にそのとおりだと思っったので、家族を除いては、誰にも相談しませんでした。辞職を告げたとき、上司からは生活を心配されましたが、たぶん大丈夫です~。

・第7章の「世界一カンタンゆるトク出口戦略」では、具体的な資産の取り崩し方法が紹介されています(200頁)。ここでは、最後に、「勉強しないのはリスク資産を運用する上で危険ですし、第一、もったいない」(202頁)と強調されています。今後も、NightWalkerさんの背中を見ながら、勉強をしつつ、投資を続けたいと思いました。

以上、長くなりましたが、書評を終わります。貯めていた夏休みの宿題を漸く終えた小学生のようなほっとした気持ちで一杯です(笑)。