「新しいNISA×未来プロデュース HOP編(2023/12/18)」に参加してきました~その2~

皆様、こんにちは。にこいちです。昨日の続きを書きます。

 

3.本編

(4)「NISAを始めてみよう」

川口:NISAには2つある。1つはつみたてNISA(来年からはつみたて投資枠)。もう1つは一般NISA(来年からは成長投資枠)。つみたて投資枠のほうが始めやすい。たとえば毎月1万円ずつ投資していくと、値段が高いときには数量が少なく、低いときには数量が多く買えて、平均単価が下げられる。また、つみたて投資枠の商品は長期のつみたてに適した一定の条件を満たした投信だけが選ばれている。世の中に投資信託は6000本位あり、その中から選ぶのは初心者には特に大変。しかし、つみたてNISAは272本(直近で登録されているもの)であり、選びやすい。金融機関によっては、もっと商品が絞り込まれている。

しゅんP:自分がつみたてNISAを始めたのは、商品が絞られているから。今の現段階だとプラスになっている。来年からは月5万円積み立てるつもり。シミュレーションすると利回り5%位。

質問:だとすると、しゅんPさんが60歳になる20年後にはいくらくらいになっているか、シミュレーションしてみて!

本田:60万かける20年ということは1200万円?

浦野:1000万円くらい?

しゅんP:では、こちらのシミュレーションのグラフをご覧ください(※スクリーンにグラフを映し出す)。運用結果は2055.2万円、運用収益は855.2万円。元本は1200万円なので、1.7倍になっている。海外旅行にも行ける!

川口:運用収益が約855万円ということで、普通に投資すると、170万円の税金がかかる。だけど、NISAだと運用収益がまるまるしゅんPさんのものになる。20年に近づけば近づくほど黄色い部分(=収益の部分)が増える。これが時間を味方につけるということ。ただし注意してほしいのは、リスク。投資においてリスクとはブレを意味する。年によって運用利回りが5%を超えることもあれば、5%よりも低いこともあるということ。

本田:毎月5万円を投資しているとその5万円がなくなるということはないのか?

川口:投資信託は、大きな袋の中に株式がいっぱい入っているようなもの。1社が破産しても大きな影響を受けない。

こが:リスクが分散されているということか…。

北村:プロが選んだ商品で始めるのがよい。

武藤:自分は一般NISAで投信と株式をやっている。いろいろな外国に投資している。

米国5割、日本4割、期待している国:残り。ここでクイズ。この私が「期待している国」とはどこでしょう?ヒントは経済成長著しい国。

浦野:南アメリカのほう?東南の方?

しゅんP:韓国?

浦野:タイ?

こが:インドネシア

武藤:もうちょっと削って!

こが:ネシア?

司会:そっちかよ?!(皆、爆笑)

こが:インド?

武藤:そう。「インド株が来ている」という話を聞いて始めてみた。

質問:初心者に海外投資はハードルが高くないか?

川口:海外投資には為替の影響があることに注意。また、海外には先進国と新興国があるが、新興国は経済不安や政治リスクが高くブレが大きいことに注意。

質問:つみたてをする際の一番のポイントは?

川口:つみたて投資にはコツがある。そのコツとは「長期・積立・分散」の合言葉。投資はいいときも悪いときもある。時間を味方につけることが大切。株は一番安いところで買い一番高いところで売ることが大切だが、それをやろうとすると本業の仕事に影響する。積み立てることで平均単価を下げることが大切。また、分散で何があっても他のものでリカバリーできるようにする。

質問:これからNISAデビューする人に必要な心構えとは?

しゅんP:メンタルがブレてはいけない。つみたてるといいときも悪いときもある。

武藤:長くコツコツが大切。私も株式投資は1万円、つみたては3000円から始めた。

森重:少額からチャレンジすること。少しずつ成功体験を積み重ねる。

北村:株価を気にせず、長期・分散・積立で楽しく気楽に。

川口:三つの余裕が大切。1つ目は資金の余裕。投資は余剰資金で。2つめは時間の余裕。悪いときでも続けられるように。3つ目は心の余裕。下がったときも「たくさん買える」と思えるようにする。

浦野:長期間で投資できるということで安心した。

本田:安い金額を買う、成功体験を積み重ねるということですね。

こが:賭け事(ギャンブル)と投資が全く違うことがわかった。

浦野:毎月いくらずつ積み立てればいいか?

しゅんP:少ない金額、例えば月1000円から始めてみては?

武藤:ドキドキしない額がよい。

川口:そのとおり。

浦野:500円にしようかな?(笑いが起きる)…700円にしておきます(再び、笑いが起きる)

質問:おさらいポイントは?

川口:投資にはリスク(ブレ)がある。自分のライフプラン、マネープランを考えて、自分のお財布事情に合わせて投資してください。NISAという税金のかからない枠をうまく利用してください。

こが:銀行の貯金だけでは不安だったので、今日はNISAの勉強ができてよかった。OWVの二人は、このイベントが始まったときと比べてどう?

浦野:別人に変わった。

本田:NISAの先輩、にいさんたちに習って自分たちでも始めてみようと思います!

司会:(※再度、つみたてワニーサのキャンペーンの応募を促す。また、本イベントの第2回STEP編の申し込みが12/18午後8時より応募開始したことを告げて、終了)

 

4.個人の感想

・芸人さんが中心の進行で、初心者にも楽しく分かりやすい内容となっていた。グラフなども必要最低限度で、初心者にもなじみやすい雰囲気だった。

・参加者に若い女性が多く、世代交代の風を感じた。普段の金融庁のイベントは中高年の男性が多くマニア向けの内容だったため、嬉しい驚きだった。

金融庁の職員さんも、若い世代が中心となって(20~30代)、入場整理をしたり、会場の端から端まで走って伝言を伝えるなど、がんばっていた。

・司会の2人が少し準備不足。最初と終わりは、パワポを印刷したものを棒読みしている感じだったので、次回以降はもう少しナチュラルな感じで話すようにしたほうがよいと思う。間違えないかどうかが心配なのかもしれないが、そのへんは日ごろ鍛えたトーク力で補えると思います。

 

以上で報告を終わります。

長文をお読み頂き、ありがとうございました。

それでは、また!

 

 

 

 

「新しいNISA×未来プロデュース HOP編(2023/12/18)」に参加してきました~その1~

皆様、こんにちは。にこいちです。

 

一昨日、金融庁主催のイベント「新しいNISA×未来プロデュース HOP編」に参加してきましたので、報告を書きます。

日時:2023年12月18日(月)19:00~20:15

場所:一ツ橋ホール(最寄り駅は神保町、竹橋、九段下)

司会:蛍原徹(MC)、松井愛莉(アシスタント)

ゲスト:浦野秀太(OWV、芸人)、本田康祐(OWV、芸人)、こがけん(芸人)、しゅんしゅんクリニックP(医師兼芸人)、武藤十夢(タレント)、森重真人(プロサッカー選手)、北村草太(USIC、学生投資家団体代表)、川口由美(日本証券業協会、金融・証券インストラクター)

 

1.イベント前の様子

ビル1階で、メールにて指示されたグループごとに分かれ、係の人が番号を読み上げる順に列に並ぶ。会場の3階まで階段を登る。席は自由。若い芸人さん人気か、前方からきちんとうまっていく。若い女性(20~30代)が多い。FPたびびとさん曰く「今日はいい匂いがする…(嬉)」

 

2.イベント開始時の様子

(1)導入部

・定刻にイベント開始。蛍原氏の「どーもー」という呼びかけで始まる。

・席の入りは9割ぐらい。(直前で来れなくなった人がいたのかな?)

・司会の二人が台本を読みながら進行していく。

・「この中でNISAをもうやっている人はどれくらいいるのか?」との質問には1割程度がおそるおそる手を上げる。

・このイベントはYoutubeで同時配信している旨、また後程、アーカイブ配信もなされる旨のアナウンスあり。

・つみたてワニーサのキャラクターの説明や、フォロー&リポストでワニーサグッズが当たる旨のキャンペーンがあるとの宣伝あり。

・ここでゲストの登場

こがけん「家の玄関にある魔除け的なヤツ…」蛍原から「シーサー?!」とツッコミあり。こがけんは「番組をきっかけに投資を始めてNISAを知った」とのこと。

・浦野「動物で走るのが早いヤツ…」蛍原「それはチーター!」

・浦野「投資はなかなか一歩が踏み出せない」

・本田「同じ」

・蛍原「一緒に学んでいきましょう!」

 

(2)テーマ「新しいNISAの魅力を語る」

しゅんP「つみたてNISAで毎月3万3333円積み立てている。弟に比べてしっかりしないと…。」他から「それはにいさん!」とツッコミあり。「つみたてNISAは2年3か月やっている。初めての人でも気軽にできる。」

武藤「FP2級技能士を取った。資産形成は自分で勉強しなければならないと思ったから。」

森重「少しずつ勉強しながら始めるのがいいかな。」

北村「USICというのは学生投資連合。皆で投資の勉強やコンテストをやっている。」

川口「今日は皆さんに正しい知識を広めに来た。」

 

3.本編

(1)質問「NISAって何?」

OWV「…何も分からない。だから何も答えられない。」

本田「初心者代表として来ている。」

浦野「本田よりはよく知っている!(胸を張る)お金がかかわるもの。貯金よりは儲かる可能性がある。」

こが「吉本の芸人が集まって歌う…『明日があるさ』!」(NISAにひっかけた冗談)「NISAとは税金分が免除される、初心者にやさしい制度」

川口(図を見せながら)「NISAとは、株や投信で儲けたとき、配当金/分配金や売却益に税金がかからない制度。2023年までのNISAには、つみたてNISAと一般NISAがあった。(対比表を見せながら説明)いずれも対象年齢は18歳以上であり、その年の1月1日に18歳でないと申し込みができない。これは新NISAでも一緒。」「2024年以降のNISAはつみたて投資枠と成長投資枠ができる。前者がつみたてNISA、後者が一般NISAを引き継いだ内容となっているが、非課税保有期間は無期限になり、制度も恒久化された。ここが画期的!投資枠はつみたて枠が120万円/年、成長投資枠が240万円/年。非課税保有限度額は1800万円(但し、成長投資枠のみだと1200万円)。」

武藤「改正が画期的。一般NISAのロールオーバーがいらなくなるのが嬉しい。また、枠の復活が嬉しい。」

森重「枠が増えたのが嬉しい。」

北村「つみたて枠と成長枠が併用できる、選択できるのが嬉しい。」

こが「無期限でよかった」

OWV(真似して)「無期限でよかった!」

こが「一般NISAはもともと5年間しか保有できない。その間しかできないものだった。それをいったんやり直すというロールオーバーの手続きがなくなった。」

 

(2)「NISAに関するトークセッション」

しゅんP「自分はなかなか貯金ができない性格だった。NISAだと取り出すハードルが高い。将来に備えて安心感を得たいと、貯金感覚で始めた。」

武藤「親がずっと投資をやっていた。親に『お前もやってみろ!』と言われたけど、やり方が分からなかった。仕事で投資を始めたのをきっかけに、学生のときから7年間やっている。」

森重「もともと自分で興味を持って勉強を始めたが、途中から投資家と知り合い、NISAを勧められたり、四季報を読んだりしたが、四季報は3頁で挫折した。」

北村「祖父が税理士で株式投資をやっていた。それを見習って、自分も大学に入ってから始めた。」

 

(3)「プランを考えよう」

しゅんP「やみくもにやるんじゃなくて、ライフプラン、マネープランを作ってからのほうがよい。自分は3年前に結婚した。子どもが塾に行きたい、習い事をしたいと言ったときにさせてあげたいと思って始めた。また、今40歳だが60歳になったときに世界一周旅行をしたい。」

武藤「FPをとったときに自分のマネープランを見直した。たとえば、犬を初めて買ったときに入ったペット用の保険にずっと入っていたが、試験に合格したあと見直してみたら、ペット保険のほうが自分の保険よりも高いことが分かった。なので、ペット保険は安いのに乗り換えた。」

森重「プロのスポーツ選手は20代で大きな金額が懐に入ることが多い。早く始めて時間を味方につけたいと思った。」

蛍原「他のサッカー選手で投資を始めている人ってどれくらいいる?」

森重「サッカー選手では投資をやっていない人が多い。」

北村「学生なので、まだはっきりとしたプランはない。ただ老後に悠々自適の海外生活をしたい。」

こが「銀行の手数料が高い。20回引出をすると利息がなくなるので、投資でそれを補いたい。」

OWV「プランって何?プランを決めたら毎月お金が引き落とされるの?金額をいったん決めたら変えられないの?」

川口「今まで話していたのはライフプラン。一生にどういうお金が必要かという話。」

OWV「世界一周旅行がいい。(「船じゃないの?」というツッコミに対し)船じゃなくて飛行機がいい。」

蛍原「資産形成というとどういうイメージ?」

OWV「人生にかかるお金を計算して、家を買ったり、資産を買ったり。」

川口「たしかに、投資には不動産投資や投資信託などいろいろある。」

こが「高級時計を買うのも同じ?」

川口「間違ってはいない。皆さん、お金と切り離せない生活をしている。資産運用とは、貯金・預金と投資に分けられる。資産形成は『お金がないとできない』『勉強しないとできない』と思っている人が多い。」

こがけん&OWV「ええ?!ちがうの?!」

川口「資産形成の方法には、預貯金、債券、投資信託などがあり、投資信託は小さいお金でスタートできる。つみたてなら100円から投資できる。NISAで株式、投信なら税金がかからないのでお得。敷居の高いものではない。」

こが「(いい話のように思えるけど)騙されるのではないか?」

川口「しっかりと自分で理解して始めることが大切。」

 

※長くなったので今日はここまで。明日続きを書きます。

投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2023に投票しました。

皆様、お久しぶりです。にこいちです。

 

昨日、投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2023に投票しました。

昨年は忙しくてどうにも時間が取れなかったためTwitter (現X)投票で投票したので、パソコンで投票するのは1年ぶり。Twitter投票だとファンドに投票した理由とかが詳しく書けなかったので、少々つまらなかったです。

 

今回は2年分の気合を入れてコメントを書きました。1位は自分の主力ファンド、2位は大人気のあのファンド、3位は昔の主力ファンド。自分の投資しているファンドの推薦コメントはやはり気合が入りますね。皆が投資してくれればそれだけ信託報酬が安くなったり、途中償還の可能性が減ったり、と実はイイコトもある感じ。ファンドに投資している皆様に投票をお勧めします!

 

取り急ぎ、投票のご報告まで。では、また!

 

 

書評「サイコロジー・オブ・マネー」モーガン・ハウセル著

皆様、こんにちは。にこいちです。コロナ禍がようやく収まってきて初めてのゴールデンウィーク、いかがお過ごしでしょうか?今日は、約1年半前に買って6度以上読み直しているお気に入りの本「サイコロジー・オブ・マネー」の書評を書きたいと思います。

 

1.著者について

著者のモーガン・ハウセル氏は米国・シアトル在住のベンチャーキャピタルのパートナー兼金融コラムニスト。医療業界で働く妻と2人の子供がいます。2008年に南カリフォルニア大学(University of Southern California)の経済学部(Economics)を卒業しました。著書「サイコロジー・オブ・マネー」が2020年秋に米国で発売されると全世界累計で70万部のベストセラーになり、日本でも10万部を突破しました。

モーガン氏の父は40歳のときに子供が3人いる状態で救命救急センターの医師になりました。しかし医師になって20年目で経済的な自立を果たすとあっさりと仕事を止めました。モーガン氏はこの事件に衝撃を受け、自らも経済的な自立を目標にすることにしました。

 

2.要約

 この本はコラム風にまとめられた20の章から構成されています。骨子をまとめると以下のとおりです。

・経済的な成果は知性よりも人間の心理(自制心)や行動といったソフトスキルに負うところが多い。足るを知り、市場から退場せずに投資を続け、裕福であり続けることが大切。

・大きなリターンを得ることよりも経済的に破綻しないことを目指し、計画を立てる際には「誤りの余地」(計画通りに進まない可能性。ベンジャミン・グレアムの「安全域」)を踏まえて計画を立てるべきである。例えば筆者は自らの投資において将来の利回りの予測を過去の平均値よりも3分の1ほど低く見積もっている。また、全資産(自自宅の価値を除く)の2割程度の現金比率を維持している。

・うまくいかないことがあっても問題ない。半分は間違っていても資産は増やせる。失敗にうまく対処するコツは、1~2回投資に失敗しても自信を失わずにプレイをし続けること。

・お金が人生にもたらす最大の価値は「自由」「思い通りの人生を送ること」。すなわち、お金があれば、好きなときに、好きな人と、好きなだけ、好きなことができる。

・金に物を言わせて高級品を買っても、本人が思っているほど他人からの尊敬や称賛は得られない。謙虚さや優しさ、共感力のほうが尊敬や称賛につながる。

・富を築くには「収入」より「貯蓄率」が重要で見栄を張らないことが大切。本当の富は目に見えない。「ウェルス」(富)と「リッチネス」(物質的豊かさ)は分けて考えるべきである。裕福さの誇示は、富を減らす一番の近道である。

・投資の神様は代償(ボラティリティや恐怖に対する忍耐力)を払わずにリターンを求めるものを嫌う。代償を罰金だと思わずに「入場料」と思うべきである。

・短期トレーダーと長期投資家によって目標は異なるので、投資家は自分の目標がぶれないよう時間軸や行動指針を紙に書きだすべきである。

・「目的のない貯金」ほど価値は高い。誰しも予想外の出費に迫られることがあるためだ。

・真の成功とは、ラットレースから抜け出して、心の平穏のために生きることである。

・筆者は個別株投資(バークシャーハサウェイやP&G株)から投資を始めたが、今では(個人年金を除き)低コストのバンガード社のインデックスファンドだけを保有するようになった。

 

3.感想

・自分の投資スタイルやお金に対する考え方に一番近く、大変共感できる本でした。インデックスの長期積立投資を勧める本であるにもかかわらず、インデックス投資界隈ではあまり話題に昇らない本だったので、今回取り上げてみることにしました。

・この本では、特に、お金があれば「好きなときに、好きな人と、好きなだけ、好きなことができる」というフレーズが気に入っています。言いたいことの核心を抽出して平易な言葉で言語化できるってすごい能力だなあと思います。

・要約のところでは省略しましたが、この本には米国の経済界の有名人の名前がいっぱい出てきます。例えば、この本で初めて名前を知ったラジャット・グプタ。グプタはインド生まれで10代で孤児になった苦労人ですが、大変優秀で、40代半ばでマッキンゼーのCEOに就任し、2008年には資産1億ドルに達していたのだとか。しかし、彼は資産10億ドル以上のビリオネアを目指して濡れ手に粟の一攫千金を狙いインサイダー取引を行ってしまい、逮捕・収監されました。既に名声を博し、莫大な富を持ったとしても、金、権力、名声に対する欲望を抑制できないと幸福は遠のいてしまいます。この本にはこのような欲望を抑制できなかった大金持ちがどのように資産や名声を失ったか、いくつも例が示されていて、勉強になりましたし、自分でも誰かに自分の考えを説明するときに使えそうなエピソードがいくつもありました。アメリカ人の作家さんはこういう具体例を示しながら自説の説得力を増すのが上手ですね。

・皆が大好きバフェット氏や盟友マンガー氏の言葉もちりばめられています。

・連休の合間に是非読んでみてください!特に、インデックス投資家の人にはお勧めします!

 

 

運動オンチの私がはまっているスポーツクラブはJEXER!

皆様、こんにちは。ご無沙汰しております。にこいちです。

 

最近、私が一番はまっているもの。それは、JR東日本系スポーツクラブのJEXERです。今日は、このJEXERのサービスについてご紹介しようと思います。

 

1.私の属性、運動歴

・もともとはものすごい運動オンチ。小学校の徒競走ではいつもビリ。家族全員スポーツが不得意で、海水浴を除いて家族でスポーツを楽しんだ記憶はない。成績でいうと、5段階評価の2(授業を真面目に出ていたので1はつかなかった)。中1のときに友人に誘われてバドミントン部に所属し、下手ながらもその友人とダブルスを組んでいたが、友人が中2で転校してしまい、ブラスバンド部に転部した(高校、大学も音楽系の部活)。

・大学2年ころにヨガを始めてやり、好きになった。が、そのころはお金がなくて、1、2か月に1回チケット制のヨガ教室に通うくらいだった。2年ほどで止めた。

・30代初めにTIPNESSに1年ほど通ったが、仕事と両立できず、止めた。

・40代後半でホットヨガ教室に4年位通ったが、ホットがつらくなり、止めた。

・50代前半でコナミに2年ほど通ったが、コロナで止めた。

・50代前半で(常温)ヨガ教室に4年位通った。自宅にも近く、先生も気に入っていたが、先生のご出産・子育てのために教室が中止になった。

・コロナが収まってきた2022年10月からJEXERに通い始め、半年が経った。

 

2.なぜJEXERが気に入っているか

(1)コスパがよい

ジム&サウナスパ会員10230円、レギュラー会員12430円、モーニング会員7480円などいろいろ種類がありますが、ビューカードの会員であればそれぞれ月額330円の割引を受けられます。

 中高年にとてもお勧めなのは、JR東日本系のクレジットカード「大人の休日倶楽部」の会員になり、会員限定のサービス(ジムの会)を受けることです。「大人の休日倶楽部」は男女ともに50歳以上なら加入することができます。

「大人の休日倶楽部」に入るにはJEXERの費用とは別に会費が必要です。ミドルは初年度会費無料、年2624円、満50歳以上男性64歳まで・女性59歳まで。ジパング(男性65歳以上、女性60歳以上)は個人会員4364円、夫婦会員7458円。

 JEXERにはさまざまな会員限定サービスがあるので、この大人の休日倶楽部の会費のもとは十分に取れます。

 例えば、ジムの会会員だと、JEXERの会費が10780円(デイタイム会員)、15400円(レギュラー会員)となりますが、通常3630円かかるレンタルサービスが無料になります。レンタル品は幅広く、タオルセット(バスタオル、フェイスタオル)、シューズ、Tシャツ、トレーニングパンツ(ロング、ショート両方あり)、水着、スイムキャップから、1日計6点までを借りることができます。手ぶらで行って、水泳とヨガを両方楽しむこともできるのです。これが大変すばらしい。スポーツクラブに通うのが面倒くさくなる理由の1つに、洗濯ものが増える、持ち物が多く重くて持ち運びが面倒ってのがあると思いますが、ジムの会会員になれば、この面倒臭さが一切ありません。

 また、私は受けたことがありませんが、専任スタッフによる無料トレーニングスクールなどもあるそうです。高齢者が身体の動かし方を学ぶトレーニングスクールのようです。

 さらに、ジムの会会員だと、全16店舗のどこにでも通うことができます。これが、小旅行気分を味わえて大変すばらしいです。例えば、この前やってみたのは、上野公園に大道芸や美術展を見に行く前に、JEXER上野店に行ってみること。上野店は駅併設のビルにあるので、手軽にスポーツ(この日は太極拳を試してみた)&お風呂を楽しむことができました。

(2)サービスがよい

・グルトレ

他のフィットネスクラブになくて、JEXERにあるシステムでいいなと思っているのが「グルトレ」。これは「グループトレーニング」の略称で、入会後2か月以内のみ限定で受けられるサービスです。合計8回、トレーナーさんが無料でジムのマシンの使い方を教えてくれます。最大で3人が同時に受けられるレッスンなのでトレーナーさんを1人占めはできませんが、ジムの基本的なマシンの使い方を習うには十分です。このグルトレのレッスンを受けることで、マシントレーニングを続けるためのハードルがだいぶ下がりました。今でも週に1回位マシントレーニングを楽しんでいます。

・レッスンの構成、講師の質

JEXERのレッスンは幅が広くてありがたいです。例えば、最近初めて受けてみたレッスンに「ペルビックストレッチ」があります。「ペルビック」とは骨盤周りのインナーマッスルのこと。内ももの筋肉を鍛えたり、お尻の筋肉を鍛えたり、見た目はすごく地味なのですが、普段全く意識していない筋肉を鍛えることができます。寝ながらやる運動も多くて運動オンチな人にもできる運動なので、運動すること自体に抵抗がある人にもお勧めです。受講生は高齢女性が多いです(笑)。

・早朝レッスンや夜遅くのレッスンもある

店舗にもよりますが、例えば新宿店だと施設は平日午前6時30分から午後11時まで開いています(ジムは24時間営業)。レッスン(1回30分か45分)も午前7時30分ころから午後10時ころまであります。仕事や勉強と両立しやすいです。

(3)設備がよい

・ジムの機器(トレーニングマシン)の種類・1種類当たりの台数が多い

JEXERのトレーニングマシンは、(店舗の広さにもよりますが)他のスポーツクラブに比べて、種類が多く、また1種類当たりの台数も多いです。例えば大型の店舗なら、10台以上ランニングマシンやバイク系のマシンがあります。

・シャワーの数が多い。風呂の種類が多く、サウナ、外気浴も楽しめる。中には人工温泉のあるところも。

JEXERは水回りの施設が充実しています。大型店舗ならシャワーの数も20以上ありますので、シャワー待ちをしたことはありません。風呂も普通の湯舟以外に、バブル発生器がついた風呂や外気浴が楽しめる風呂、さらにはサウナや水風呂が楽しめたり、人工温泉が楽しめる施設があったりします。

(4)場所がよい

JR東日本系のスポーツクラブということもあって、立地が大変によいです。例えば、大塚店はJR大塚駅の改札を出てすぐの駅ビル5階に施設があります。通勤・通学の行き帰りに手軽にスポーツや風呂を楽しむことができます。そのためか、杖をついたり手押し車を押しながら現れる高齢者の方もいらっしゃいます。

(5)客質もまあまあ

超高級スポーツクラブではないので客質は普通だと思います。元気のいいおばちゃん、おばあちゃんもいますが、ザ・スポーツウーマンという人は実はあまりいないかも。ハキハキした(元)ビジネスウーマンぽい女性もいれば、「膝が痛い…」なんて愚痴をこぼしながら風呂に入っているおばあちゃんもいます。女性更衣室は田舎の温泉施設と何となく似通った雰囲気です。下町っぽいサバサバした感じ。新人さんには親切に教えてくださる方も多いです。トイレのスリッパを揃えない人がいたり、通路を塞いで井戸端会議をする人がいるのが玉にキズ。

 

3.まとめ

以上のとおり、数々気にいった点があったため、最寄のJEXERのある駅まで定期券を買い、毎日のように通っています。

そのためか、以下の効果・効用が得られています(感じ方には個人差があります)。

・血行がよくなった。手足の末端の冷え性がなくなり、身体が常時ポカポカと暖かいです。

・身体の不調が減った。私はすごい肩こり、腰痛に悩まされていて、30代のころは毎週末に鍼灸マッサージに通っていた位ですが、これらの不調がほとんどなくなりました。特にペルビックストレッチは腰痛に効く感じがします。

・メンタルが前向きになった。例えばヨガのレッスンを受けると、インストラクターから呼吸法を習ったり、「他の人と比べないで自分の動きに集中して」と言われたり、各ポーズ毎に達成感を味わうことができ、軽い瞑想・興奮状態に陥ります。1日を無駄にせず、健康によさげなことをやったという満足感はなかなか心地よいもので、自己肯定感が高まる感じがします。運動に集中し「無」になることで、頭が整理され、くよくよ悩むことが減りました。

・なお、体重は減っていません(涙)。もっとハードな運動をすればダイエットに役立つのでしょうが、ヨガやペルビックストレッチくらいだと難しいのでしょうね。

 

運動オンチの仲間の皆様にも、JEXER、お勧めします!1人暮らしの人なら、銭湯代わりにいかがですか?健康にも投資しましょう。きっと元は取れますよ!

 

2022年11月ベトナム旅行(ホーチミン編)

皆様、あけましておめでとうございます。まごまごしている間にいつの間にか年が明けてしまい、あせっているにこいちです。何とも恰好が悪いのですが、昨年11月のベトナム旅行記の続きを書きます。今回で終わりです。

 

1.4日目

朝食を食べてから国内便でホーチミンに移動。格安航空便(Vietjet)のためか、機内はほぼベトナム現地の方。しかも、9割以上が男性。女性はなかなか飛行機を使わせてもらえないのかしらん、と思いながらうたたねする。

後発組を待ってホテルでチャーターしたミニバスでホテルに移動する。

移動中に市内で見かけた日本語学校

Cさん、Fさん夫婦と高級ケーキ屋でお茶をする。フランスの影響か、ケーキがどれも美しく、甘さがしつこくなくておいしい。Cさん、Fさんはご夫妻ともIT企業にお勤めで元留学生のため、日本語が堪能。

高級ケーキ店のピスタチオケーキ。激うまで、見た目も美しい。

グラブでホテルに戻って、ドンコイ通り土産物店を見学する。コロナのためか、閉店が多かったのが残念。

夕飯はドイツ料理店。元留学生Sさんの親族経営。Sさんは日本在歴11年。日本語でジョークもスラスラ言えて、日本で会社も経営しているデキる男。お店にはレトロなオートバイが展示してあって、好きな人にはたまらない感じ。ビールは様々な種類を用意してくれて、ベトナム料理に飽きた人や苦手な人にはいいんじゃないでしょうか。ビール好きな人の接待にも使えそうでした。なお、料理の塩気が強いので、高血圧の人は注意が必要です。

 


www.foody.vn

 

2.5日目

朝食後、グラブで郊外の少数民族の手工芸品を扱う店へ向かいました。かわいらしい感じの小柄女性が隠れ家っぽい自宅兼店舗で経営しています。彼女は少数民族の住む地帯に住んだことがあり、その際に取材した内容を本にまとめているそうです。

店内の様子 様々な布が美しい

小物入れ(袋) 刺繍が見事

お財布。柄が現代風でかわいい。

昼はTさんとPizza 4P’sに行きました。日本人経営のピザのお店で、ベトナムの老若男女に大人気。お店もおしゃれで、デートにもいい感じ。

pizza4ps.com

数種のチーズのピザ。はちみつをかけて食べます。

生ハムのピザ(だったと思う)

サラダ 盛り付けがおしゃれ

チーズ(真ん中の茶巾状のもの)と果物のサラダ

その後、ベンタイン市場で買い物をしました。

夕飯はTさん、Bさん(夫が日本人)と小ぎれいなベトナム料理店へ。大変おいしかったのですが、パイナップルジュースで腹痛になり、貧血を起こして倒れてしまいました。疲れがたまっていたのかしら…。同行者の皆さん、お店の皆さんには迷惑をかけて申し訳ありませんでした。

小ぎれいなベトナム料理レストラン 接待に使える感じ

バインセオ 薄い卵焼きの中に海産物や野菜の炒め物が入っています

いろいろな春巻きのセット 

3.6日目

Sさんに案内してもらい、目貫通りを散歩。

ホーチミン中心街にある噴水

ホーチミンの像 若者は織田信長などの歴史上の人物っぽい捉え方をしているとのこと

サイゴンキッチュという雑貨店へ。飼料袋を再生した小物入れやバッグを購入しました。

飼料袋を再生したバッグ 

スーパーマーケット(高級め)

キャラクター付きのお菓子

昼ごはんは鉄板バインミー。おいしいのですが、脂っこくボリュームがあります。

通称「鉄板バインミー」 金属性の薄鍋の上の熱々の具をパンに挟んで食べます

雰囲気のあるカフェ ベトナムには素敵なカフェが多い

ハトとスズメの中間位の大きさの小鳥

ベンタイン市場の入り口

市場の中の様子

市場の向かいには地下鉄の駅ができるとのこと

街中で見かけた、史実を写真付きで説明する立て看板

午後は同行者の部屋に、編み物作家さんにおいで頂き、商談。

夕ご飯はSさんと接待用ベトナム料理店に行きました。春巻き、エビゴマフライ、炒飯等、どれもおいしかったです。

海老と野菜をあえた炒めもの

ゴマ付き海老揚げ

青菜とキノコの炒め物

4.7日目

朝食後、チェックアウト、ロビーでKIMトラベルの案内人と待ち合わせし、クチトンネルとメコンデルタツアーに参加しました。

ホテルからの眺めはとてもよい 

ホテルのロビー 

バスで移動中に見かけた水牛

クチトンネルの入り口

ジャングルの中を歩きます

穴の中に入る体験ができます 意外と蓋を閉めるのが難しい

ガイドのTHINさん 英語の発音がきれいで説明も上手でした

戦車 かなりボロボロです

落とし穴 

地下通路 かなり身体の小さな人でも腰を屈めないと移動できません

地下通路の断面図(説明図)

ツアーの昼食 そこそこおいしいが西欧人には不評

ミトーから船でトイソン島に渡ります

南国フルーツ(グレープフルーツ、マンゴー、パパイヤなど)

小舟クルーズ 30分位でちょっと短い

夕飯のおにぎり 具が脂っこい

バインミーセブンイレブン) あまりおいしくない

別のホテルに移動し、夕飯を食べシャワーを浴びてすぐチェックアウト。空港に移動。

 

5.8日目

0:15発Vietjetで帰国。

帰国後成田で、コロナ対策のためのアプリをインストールする作業を行いました。

 

6.感想

 ベトナム戦争で多くの国民を失ったためか、ベトナム人の年齢は若い人(子供~50代位まで)が多いです。60代以上の高齢者はハノイホーチミン市内でほとんど見かけません。また、鉄道網が発達しておらず、若い人の移動手段はスクーター(多い)又は自動車(少ない)で、交通ラッシュの時間帯には歩道にもスクーターが平然と入ってきて、ビュンビュン走ります。そのため、全くバリア・フリーじゃないです。杖をついた人や車いすの人は全く見かけませんでした。高齢者や足の悪い人はハノイホーチミンには行かないほうがよいと思います。それでも行くとしたら、バス・ツアーで、ホテルから観光地までをドア・ツー・ドアで移動することをお勧めします。

 移動と言えばもう一つ。実は8年ほど前にもハノイに行ったことがあるのですが、その際にはタクシーやバイクタクシーで代金をボラれることが多くてストレスでした。しかし今回は「Grab」というスマホ配車アプリを入れたところ、これが非常に便利なうえ、ボラれることが全くなくなり超快適でした。運転手の身元が登録されており、クレジットカード決済もできるため、ベトナム語が一言も話せなくても楽々でタクシーが利用できます。IT技術の凄さを実感。在ベトナム日本大使館もGrabを推奨していました。

 ハノイホーチミンでは言葉も文化もかなり違うそうです。例えば、ハノイの男性は細かいことにうるさく妻に厳しいけど、貯蓄はうまいそうです。ホーチミンの男性は「宵越しの金は持たない」式で遊びがうまくお金はあまり使わない傾向にあるとのことでした。ハノイの女性は、ホーチミンの男性のほうがモテるんじゃないかというようなことを少し羨ましそうな表情で語っていました。ハノイ生まれ・ホーチミン在住のSさん(男性)は奥様と話し合って、小さいお子さんと奥様をハノイに残してホーチミンに単身赴任しているとのことでした。その理由を尋ねたら、ホーチミンで育つと子供の言葉が南部なまりになってしまうため、子供の将来のことを考えてそうした、とのことでした。このSさんはハノイ出身者らしく、お金のコントロールが上手で、自分自身はエレベーターなしのアパートの8階に住んでお金を節約しているとのことでした。さすが30歳そこそこで、日本で会社を経営しているだけのことはあります。日本人の同年代と比べてたくましさ、タフさの違いに舌を巻きました。

 ベトナムで日本に留学が流行っていたのは今から10年程前で、今は下火になりつつある(今は韓国留学が人気)そうですが、ベトナムに帰国してからつく仕事はIT系が多いそうです。今回、元日本への留学生と何人もお会いしましたが、IT系でないところにお勤めだったのは、1人だけでした。ベトナムがアジアのシリコン・バレーっぽい立ち位置になりつつあるのかな、という印象を受けました。

 物価はかなり上がっていました。今回行ったケーキ屋やホーチミンベトナム料理店などは、ほぼ日本のケーキ屋・ベトナム料理店と値段が変わらないほどです。ホテルは日本よりも安いですが、Wifi環境があまり宜しくなかったです。おみやげや販売用に雑貨をいくつか購入しましたが、これで利益を得て、航空券やホテル代・飲食代をねん出するのは非常に難しい印象を受けました。例えば、日本で3000円で販売されているものが現地だと2000円で買える位の感じです。現地の人と仲良くなってよほど安く仕入れるか、別のところに力点を置く(例えば有名人に使ってもらって付加価値を付けるなど)をしないと、ビジネスとして成立させるのは難しそうだなと思いました。

最後に、旅行にかかった費用の総額を紹介します。

交通費  ¥                                  233,457
宿泊費  ¥                                    68,246
飲食代  ¥                                    36,000
その他  ¥                                    35,921
合計  ¥                                  373,624

 

では、また!

 

 

 

【第59回 FIWAサムライズ勉強会】「新しいNISAの制度について徹底解説」のメモ

こんにちは、にこいちです。今日開催されたFIWAサムライズのオンライン勉強会「新しいNISA制度についての徹底解説」に参加しましたので、メモを公開します。なお、自分にとって難しくて理解できず、メモができなかった質問・回答は省きました。

 

1.金融庁・今井利友金融税制調整官からの概要説明
・一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAと3つで複雑だった。今回は1つだけ。
・一般NISAとつみたてNISAのハイブリッド型になった。
・従来、併用はできなかったが、今回は併用できるようになった。
・どちらの箱から使うか、どちらをどれだけ使うかは自分のライフプランに合わせて決められる。
・自由度の高い制度になっている。
・非課税は恒久化。
・非課税保有限度額は生涯で1800万円まで。
・買った金額の残高から売った金額の残高を引いた金額。簿価残高での管理。
・つみたて投資枠だけを使っても最大で1800万でいける。
・対象商品について、つみたて投資枠については今までどおり、インデックス投信が中心。成長投資枠については、①整理管理銘柄は除く、②少なくとも20年以上、③毎月分配型・高レバレッジはダメ。公募投信は現在5500本、そのうちインデックスが900本位。インデックス投信は800本位、アクティブ投信は1400本位残る。要するに6割がダメで4割が買える。

・対象年齢は18歳以上。つみたては18歳未満で交渉していたが今回は見送られた。
過去のNISAとは分離。非課税総額1800万円に今のNISAはカウントされない。今やっている人はずるいという声もあるが、そのとおり・笑。早く始めた人に上乗せがされることになる。

・古い制度から新しい制度に移管することはできない。例えば一般NISAの場合ロールオーバーがあったが古い制度からロールオーバーして新制度に移管することはできない。一般NISAは5年で売却することになるので5年という短期間だとマイナスになる可能性もある。よって来年始めるなら一般NISAよりつみたてNISAを始めるほうを勧める。

・新しい制度では枠の再利用制度があるため短期売買に使う人も出てくる可能性がある。そういう勧誘行為に対して監督をしていく予定。

・ジュニアNISAは2023年で終わり。18歳になるまで継続管理勘定に移す手続が必要。その手続きをしないと課税されるのはかわいそう。特段の手続きをしなくても自動的に移管されることとした。

 

2.質疑応答

Q:回転売買の監視・管理は誰が対象か?個人か企業か?
A:回転売買への勧誘行為(企業)を監視していく。トレードを行う個人を監視対象とするのではない。
Q:個人がデイトレードをできるのか?
A:枠(1800万円)の確認は年末に金融機関が国税庁に報告し、国税庁マイナンバーで名寄せ、把握する。1年間に買える金額はつみた最大で120万円、成長枠で240万円。毎日売買してすぐに枠が復活するわけではない。デイトレードをすればすぐに最大金額を使い切ってしまうだろう。だから実際にはデイトレードができるとまではいえないのでは。
Q:つみたてはどういう形でできるか?
A:年2回以上の積み立て。ボーナス併用も可能。

Q:新旧制度の分離の意味は?
A:今のNISA(非課税期間5年間)、つみたてNISA(非課税期間20年間)は残っていく。
Q:新規口座の開設が必要か?
A:今の一般NISAかつみたてNISAのどちらかを持っていれば、2024年に自動的に口座が開設されるよう財務省に依頼している。

Q:金融機関を今の口座とあえて分けることは可能か?
A:可能。今でも変更手続きがあり、途中でA証券からB証券に変えることができる。
Q:逆に二つを持つことはできるか。現在A証券を利用している人が新NISAはB証券とすることはできるか?

A:可能。
Q:つみたて投資枠と成長投資枠とで同じ商品を買うことはできるか?
A:可能。但し、正確にいうと、つみたて投資枠は最低2回に分けて買わなければならない。成長投資枠はそういう制約はないので一括で買うことができる。

Q:成長投資枠の信託期間20年未満の意味?
A:セットアップしたときに20年以上やりますよということであればOK。セットアップのときに25年と規定しすでに15年経過したようなものも買える。

Q:金融機関の変更はできるという話だったが新・旧は別の証券会社にすることはできるのか?
A:年をまたげば別の金融機関に変更することは可能。
Q:現在だと1月のつみたてが始まるとその金融機関を変えられないが10月ころに変える意思表示をすれば変えられる、それと同じように考えればいいのか?
A:YES

Q:成長投資枠でつみたて投資枠の商品が買えるのか?
→これは金融機関がどういうサービスをするかということ。我々としてはつみたてNISAは手数料が安い商品が多い。金融機関が赤字になる可能性もある。

Q:恒久化は、金融庁の口座開設数や金額などの目標数を達成しなかった場合も維持されるのか?
→YES
Q:債券ETFなどどちらかは誰が確認するのか?

A:証券会社がリストアップすべき。

Q:(売る期限を証券会社に教えてほしいというような質問)

A:いつ売るかは個人の選択。非課税期限前に売るという選択もありうる。

Q:途中でリバランスはできない前提か?
A:翌年、枠の再利用ができるのでそういうリバランスはできるが、即時のリバランスは見送られた。

Q:投資信託が途中償還になったり、個別株の会社が倒産したらどうなるか?枠はいつ復活するのか?
A:翌年に枠が復活する。
Q:アドバイザーになるための試験は考えているか?また、利益相反などの倫理規定などを設けたり、規定違反に対する罰則を設けることはあるのか?
A:来年新たな法律改正を考えている。
Q:途中で認知症になったりしたら管理はどうなるか?
A:税制とは関係ないのでお答えできる立場にはないが、例えば1年前の税制改正で特定口座を信託銀行が預かる形にできるようになった。財産を減らさないようにプロテクトする制度ができた。だが、NISAにはまだ導入されていない。

Q:簿価残高方式の意味は?
A:買い付け時の金額が復活する。

Q:積立途中に海外に出た場合は?
A:5年間以内なら海外に行っても復活するという制度はそのまま残る。
Q:実際の金融機関は海外に行くと残高の維持をさせてくれない(解約させられる)。対応をお願いしたい。
A:非居住者対応をしてくれる金融機関をしっかり見ていく。非居住者になると手続が面倒くさくてお金もかかり、やっていない機関も多かった。しかし最近、そういうサービスを導入している機関や検討している機関も多くなってきた。今後も注視していきたい。

Q:新旧制度分離の意味は?
A:2024年からは新たな積立は旧制度ではできなくなる。それまでに積み立てた金額の非課税枠は保証されるということ。

Q:「簿価方式で残高を管理」の意味を詳しく知りたい。毎月30万円ずつ積み立てていって、最初に買ったものから簿価が復活するのか、それとも1年間で平均の取得価額を計算するのか?
A:いい質問。総平均法で特定口座でも計算されている。平均単価で売られたものとして簿価が復活する。つみたて投資枠と成長投資枠とそれぞれで分けて総平均を計算する。売るときはどちらの枠を売ったのかを選択してもらい、翌年その分の枠が復活する。

Q:成長投資株とした場合の「成長」の意味は?
A:あまり意味はない。税制上はあまりそういう言葉を使わない、通称。この名前をそのまま使うかどうかは分からない。

Q:成長株というとバリュー株に対応する概念に見えるが?
A:個人的にはキャッチアップ枠と考えている。例えば若いときに積立はできなかったが定年になって退職金をもらった人がキャッチアップするために使う枠。成長株投資だけに使えるという意味ではない。

Q:つみたて投資枠をもっと大きくするわけにはいかなかったのか?
A:60万円という声が多かったがそこは120万円に増額されている。また、成長枠もキャッチアップととらえてもらえばいいのでは。若いときに投資できなかったが、ある程度年になって余剰分ができた人を受け入れる制度。
Q:日本企業にどれだけお金が回るのか?もっと日本企業に魅力を持たせる試みはしていないのか?
A:日本はベンチャー投資が遅れている。日本の金融機関はベンチャーをやりたがらない。ベンチャー税制・課税の繰り延べ制度はあまり使われてこなかった。アメリカには10億円までベンチャー投資に投資しても非課税という制度があった。それを超えるスタートアップ税制・20億円までベンチャーに投資すれば課税されない制度を作った。1年ごとに新たに投資できる。これだけの額の非課税枠があれば証券会社自体もチームを作ってベンチャー投資につなぐことができるようになったと考えている。

Q:非課税枠の管理は証券会社でしてくれるのか?
A:国税庁からデータを送れば証券会社で確認できるようになる。マイナポータルにNISAも入れるようにする予定。

Q:金融機関のシステム対応は間に合いそうか?
A:間に合うと聞いている。総額管理だが年間360万円という縛りがあるので総額1800万円に達するには5年かかる。システムを二段階で構築しようと考えている。
Q:成長投資枠から高レバレッジを除くということだが「高レバレッジ」の意味は?
A:デリバティブ規制。つみたてNISAではすでにのぞかれている。つみたてNISAの政令要件がそのまま当てはまる。プレーンなデリバティブ(ヘッジ目的)ならいいが、そうでなければダメ。

Q:11月ころ難航しているというマスコミ記事があったが、実際に難航したのか?
A:難航しているというのはデマでは?防衛費の問題などポロポロ漏れてくる情報の染み出し感が遅れていたので、難航しているという噂が立ったのではないかと思う。

Q:生涯枠が1500万円から1800万円になった経緯は?
A:マスコミと同じレベルでしか聞いていない。金融庁では数字を入れた要望はしていない。

Q:将来の宿題は?
→つみたてNISAが未成年からできるようにならなかったこと。子供のころから親しむほうが大人になってからも継続する。つみたて投資の普及のためには未成年も積立できるようにしたい。

Q:2000万円問題の関係でプラス360万円としてほしい。
A:一般NISAだけでは恒久化ができなかった。つみたてNISAを若い人が利用するようになり600万口座まで増えたことが功を奏したと思う。新しい制度をきちんと利用していく、大事に育てていくことが大切。

Q:金融機関を二つ以上持った場合に残高を売却することなく口座移管はできるのか?
A:スイッチングが認められなかったところは残念なところ。簿価を認識して売っていかなければならない。証券会社の技術的問題がある。今は証券会社をまたぐとA投信からB投信に乗り換えることはできない。

Q:証券口座の画面はどんな形になるのか?

A:特定口座と非課税枠(旧一般NISA、つみたてNISAと新しいNISA制度)の簿価が並ぶことになる。

Q:年齢を下げてほしい。学校教育も進めてほしい。
A:教育については金融庁マターだと思っている。小中高は文部省の管轄だが今後拡充はしていきたい。大学などでも授業はやっていきたい。

Q:金融教育の担い手は誰を考えているか?担い手を育てるための教科書作りなど大変では?
A:中立的なアドバイザーに情報を発信してもらう。講師を外部から呼んで講演などをしてもらう場合には予算措置も入れて一部国が支援していくような形を検討している。

Q:金融中央広報委員会を利用するという話があるが?
A:検討中だが新たな機関を作って求心力を持ってやっていきたい。来年の通常国会で法案を提出する。
Q:職場を利用した知識の普及の具体的なイメージは?
A:講師を派遣するにしてもお金がかかる。国が補助して職場での普及を図ることを考えている。

Q:職場積立NISAの補助金の制度は続くのか?
A:続けるよう、経団連など経済界にも要望を出している。

Q:相続税対策。高齢になると有価証券から土地に変える人が多いが、相続時に有価証券のままで低い評価を受ける制度にすることはできないのか?
A:要望を出しているが変わらない。どちらかといえば土地を時価評価に近づける方向にしたいという反対の要望がある。

 

以上です。プロのFPさんっぽい方やTVでちらほら名前をお見掛けする方も多くて高度な質問が多く、メモを取るにも難航しました。