親子3代の老後の備え

こんにちは。にこいちです。

2019年6月3日、金融審議会の市場ワーキンググループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」が発表されて以来、人生100年時代に「年金は100年安心」ではなく、2000万円不足するなどと、世間が大騒ぎになっていますね。

私は、あの報告書の内容は至極穏当で、国民が直視すべき現実だと思っています。麻生大臣が報告書の受け取りを拒否したということで、このまま闇に葬られたら非常にもったいない内容です。まだ読んでいない方は、是非読んでみてくださいね(https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603/01.pdf)。

が、実際のところ、100歳まで生きてしまった場合、年金だけでどれ位まかなえるの?どうやって備えるの?って不安に思っている方は多いと思います。

私には、100歳余まで生きた祖母がいたし、父母も健在なので、親子3代どのように老後に備えてきたか、また、備えていくか、ざっくりご紹介したいと思います。あくまで一例に過ぎないので、参考程度にとどめてくださいね。

1.祖父母の場合

(1)父方

・祖父は、定年まで教職。祖母は専業主婦。

・2人とも60代後半~70代前半で亡くなった。

・財産は自宅位で、2人が亡くなったあと売却し子供が相続したが、地方の山の中の不動産であまりたいした金額にはならなかった(らしい)。

・生活費の安い地方で質素倹約生活を送っていた。自宅で鶏を飼って卵を取ったり、近所で畑を借りて野菜を育てたりして、生活費を浮かしていた。1980年ころまでトイレは汲み取り式だった。落雷があるとしばしば停電していた。

(2)母方

・祖父は、公務員→自営業(途中に第二次世界大戦)→戦後に友人と起業→会社員(役員になったこともあったらしい)。

・自宅を2回買い替え、不動産投資を少しだけやっていた。祖母は専業主婦。

・祖父は60代過ぎでがんになり大手術した後は働かず、70代後半で亡くなった。最後の数年は寝たきり状態で祖母が自宅で介護した。

・祖母は祖父亡きあと月14、5万円位の遺族年金をもらい、生活していた。80代後半で認知症の症状が出始め、自宅介護7年、特養9年、100歳余で死亡。遺族年金から自宅の維持費用(固定資産税、光熱費など)、医療保険及び介護費用を払っていた。自宅介護のときは余裕があったが、特養に移ってからはカツカツだった。

・比較的裕福な祖父母であったが、自身の子供への生活の援助が大変だった(後述)。2.父母の場合

・父は、会社員→(結婚)→(子供生まれる)→無職ときどき内職(7年)→教職→途中で副業始める→定年後副業で独立(80代でまだ働いている)。

・母は、会社員→(結婚)→専業主婦&内職→自営業→無職→自営業(80代でまだ働いている)。

・父が無職の間、母方の祖父から15万円/月の援助を受けていた。

・母方の祖父が二世帯住宅を購入し、そこに住んでいた。祖母の死後、夫婦等で住んでいる。

・年金は夫婦で今回の報告書の試算額と同じ位か少し上(推測)。母は、年金受給を70歳まで繰り下げた。

・食事は自炊で、車はなし。金のかかる趣味はない。

・夫婦とも長く働くことで、年金を補っている。

3.私たち夫婦(50代)の場合

・夫は、サラリーマン(複数回、転職)→自営業。

・私(妻)は、アルバイト→自営業→サラリーマン(複数回、転職)→退職、将来模索中。

・30~40代は共働きでフルタイム、朝から深夜まで働いて、厚生年金を増やした。

・夫婦共に転職が多く退職金はあてにならなかった。

・私のみ、資産運用(iDeCo、一般NISA、一般口座)をやっている。

・夫は大の投資嫌いで銀行預金一択。

・自宅は中古(築50年超)で10数年前に購入した。ローンはない。

・食事は自炊で、家電や服など物を中古で買うことも多い。

・資産運用&年金受給繰り下げで年金を補う予定。足りないなら、また働く。

4.というわけで、親子3世代の老後に対する備えを紹介しましたが、いかがだったでしょうか?

 万が一の場合(事故とか100歳まで生きちゃうリスクとか)に備えて年金をきちんと納めることは大事で、それをベースに、節約・就労期間の延長・資産運用・年金繰り下げなど、金融審議会の報告書で提案されている色々な方法を組み合わせれば、人生100年時代を今後も乗り越えていけるのではないかなあ、と思っております。皆で力・頭・技を合わせて少子高齢化の時代を生き抜きましょう!

 なお、この親子3代にわたっての備えを紹介するというアイデアは、NightWalkerさんの2019年6月12日の記事「21世紀資産形成の旅」(http://nightwalker.cocolog-nifty.com/money/)から頂きました。アイデアの借用をお許しいただき、ありがとうございました。